【島人の目】旅立ち


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 ミヤギマモルのヒットソングに「やいま(八重山)」がある。故郷を思う素朴で憂いに満ちたこの琉球調のメロディーと詩には哀愁がある。この歌が忘れられずよく口ずさみ、沖縄の文化や芸能に魅せられた1人の若者から、最近うれしい便りが私の元に届いた。

 沖縄から東京だけでなく、「OKINAWA」から世界に向けて日本の良さ、沖縄の良さを発信できる客室乗務員になりたいとの夢が間もなく実現できる日がやってくる。日本の文化や伝統もこれからさらに勉強していきたいと、3月を待ちわびている若い女性とは日高眞日子さん(22)である。
 日高さんは学習院大学在学中、2011年にカリフォルニア州立大学エルカミノ校に短期留学後、学習院大に戻りこの春に同大を卒業して、日本航空(JAL)に就職が内定した。彼女には双子の姉がおり、同社に就職が内定しているという。
 日高さんの祖母は沖縄出身、眞日子さんは1992年に那覇で生まれた。3歳まで那覇で過ごし、その後一家で東京へ移った。学習院大在学中の2010年、アメリカで40日間の語学留学を体験した。帰国の前日、その年の甲子園で春夏連覇し、日米親善高校野球大会の選抜チームに選ばれた島袋洋奨投手ら興南高校野球部5人を招いた北米沖縄県人会による歓迎会に参加した。そして我喜屋優監督と共に本紙に記事が掲載された喜びを、今でも昨日のように思い出すという。
 「たくさんの方に支えられて夢をかなえることができた。幼いころ、故郷沖縄に帰省する時によく乗っていた『飛行機』が自分の職場になるなんて信じられない」と喜びがあふれるメールが眞日子さんから届いたのは、ことし新年に入ったころ。私が本紙に眞日子さんのアメリカ留学の記事を書き、掲載されてから2年が経過していた。
(当銘貞夫、ロサンゼルス通信員)