ラジオの力で防災 沖縄・奄美、地域FM4局連携


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コミュニティーFM4局が連携した「琉球弧防災ネットワークラジオ311」で番組を進行する比嘉美由紀さん(左)と稲垣暁さん=9日、那覇市牧志の那覇市ぶんかテンブス館

 地域に密着した情報をラジオで発信しているコミュニティーFM放送局4局が県域を越えて連携し、防災情報を共有・発信する初めての取り組み「琉球弧防災ネットワークラジオ311」(主催・琉球弧メディアネットワーク311放送委員会)が8日、那覇市牧志の那覇市ぶんかテンブス館前広場で行われた。

各局と電話でつなぎ、災害放送の現状や気象台職員などの専門家から防災知識を学ぶ番組内容となった。
 参加した4局は「FMよみたん」「FMみやこ」「タイフーンfm(那覇)」「あまみFMディ!」。FMよみたんは午後2時から5時まで生放送し、インターネット上で動画も配信した。番組ではFMよみたんの比嘉美由紀さんと、ネットワークの立ち上げに関わった沖縄国際大特別研究員の稲垣暁(さとる)さん、沖縄大の緒方修客員教授らを中心に進行した。
 東日本大震災でラジオの発信力が再評価されたことを受け、各局のネットワークを構築しようと企画された。FMよみたんの仲宗根朝治(ともはる)社長は「台風の時は宮古などの離島から暴風に巻き込まれるが、その状況がいち早く奄美に伝わればこれからの接近に備えることができる。1分でも早く、多くの地域の情報を発信することが生活の安心・安全につながる。その思いが今回の取り組みにつながった」と語った。
 番組は第1弾と位置付け、今後も各局で連携を深め拡大も目指していく予定。
 新潟県内では中越地震をきっかけに10のFM局が防災ネットワークを構築し、人員や機材、番組作りで連携しているという。