米軍から動画流出 山城議長逮捕時の基地内映像


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 名護市辺野古の米軍キャンプ・シュワブの敷地内に侵入したとして、沖縄平和運動センターの山城博治議長ら2人が2月22日、刑事特別法違反容疑で逮捕されたことについて、拘束されるまでの一連の動画が投稿サイトに公開されている。動画について米海兵隊報道部は14日、本紙の取材に対し「動画は非公式なルートで不適切に公表された」と回答し、動画が米軍から流出していたことを認めた。

 動画を投稿した男性(51)は、山城議長や本紙記者らが米軍との境界の黄色い線を越えている点を問題視しており、「真実を明らかにするために公開した。入手先については話すことはない。出どころを問題にするのは、違法行為の有無をうやむやにする論点のすり替えだ」と指摘している。
 動画はキャンプ・シュワブ内ゲート近くの高い角度から撮影されており監視カメラの映像とみられるが、米軍は監視カメラの映像かどうかまでは言及しておらず、どのような経路で誰が流出したかについても明らかにしていない。
 本紙は11日、米海兵隊に動画について質問をしたところ、米海兵隊報道部は「その動画はわれわれの公表したものではない。投稿した本人に直接聞いてください」と回答していた。さらに動画を踏まえ調査するかどうかについても答えなかった。
 14日に再度質問をしたところ「非公式なルートで不適切に公表され、(流出に関わった人の)懲戒処分も行われている」と回答。回答内容を変更した経緯や理由については答えなかった。
 米軍基地問題に詳しい池宮城紀夫弁護士は「米軍の映像が民間人に渡ることがまず考えにくい。『不適切に公表』とは、具体的にどのように不適切だったのか説明がないと米軍が意図的に提供したと思われてもやむを得ない」と話している。
 動画を投稿した男性は「当時その場にいた人の話と映像が一致したので、本物だと確信し公開した。記者も含め、黄色い線を越えることで法を犯している。法の範囲内で抗議運動をするべきだ」と訴えた。

動画投稿サイトに公開され、名護市辺野古のキャンプ・シュワブゲート内から撮影された画像(ユーチューブより)
動画投降サイト「ユーチューブ」に流出した動画を撮影したとみられる、キャンプ・シュワブゲート近くにある監視カメラ=名護市辺野古