国環境監視委辞意の東氏へ支援広がる 後輩研究者ら声明発表へ


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 普天間飛行場移設に伴う名護市辺野古への新基地建設に向け、沖縄防衛局が工事に伴う環境保全策協議のために設置した環境監視等検討委員会(委員長・中村由行横浜国立大学大学院教授)の委員の辞意を表明している副委員長の東清二氏(81)=琉球大学名誉教授=を支援する動きが広がっている。県内昆虫研究の第一人者である東氏の下で学んだ研究者や行政職員らは近く、東氏を支援する声明を発表する。声明では、監視委で「環境保全はできない」とした東氏に賛同し、監視委の在り方に疑問を呈しているほか、東氏の辞意を尊重するよう防衛局に強く求める考えだ。多くの有志の結集を呼び掛ける。

 香村真徳琉球大学名誉教授、元琉大助教授の屋富祖昌子氏=理学博士、日本科学者会議会員=の呼び掛けで、16日までに渡辺賢一氏(石垣市自然環境保全審議会会長)、崎山正美氏(地域環境計画家)、島村賢正氏(元八重山商工高等学校校長)ら10人の有志が名を連ねる。賛同者は日に日に増えているという。
 呼び掛け人の屋富祖氏は「琉球列島の生物研究に生涯を懸け、『保全に役立てれば』と監視委副委員長まで引き受けた東先生が、保全できないと辞意を決断した。決断は後輩であるわれわれの誇りだ。沖縄の自然環境保全のため広く訴えていきたい」と述べた。
 東氏は9日、防衛局に辞意を伝えた。防衛局関係者は慰留を続けている。
 一方、沖縄・生物多様性市民ネットワークなど10団体も17日、東氏の辞意を支持し監視委の在り方を追及する会見を県庁で開く予定だ。(石井恭子)