重粒子線治療費250万円、外国人は倍額 県検討委案


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記者会見で基本構想の検討状況について説明する玉城信光委員長(右端)ら=16日、南風原町の県医師会館

 沖縄県は16日、今月末に返還される米軍キャンプ瑞慶覧・西普天間住宅地区(宜野湾市)の跡地に、がん治療の重粒子線治療施設を整備する基本構想の検討委員会を開き、1人当たりの治療費を日本人は250万円、外国人を受け入れる場合は500万円に設定する案をまとめた。県は同案を基に基本構想を策定し、15年度中にも同治療施設を導入するかどうかを判断する。

 基本構想では人材育成、医療連携、県民負担軽減の3本柱とする。負担軽減に関して検討委は年間の患者数目標を500人、その半数を県内から、残りは国内から150人、海外から100人を受け入れると想定し、治療費を試算した。
 県内患者向けに助成制度を設け、先進医療特約付き保険への加入の有無や世帯収入に応じ治療費を還元する仕組みを想定している。
 県外にある既存の重粒子線治療施設では珍しい外国人患者の受け入れにも積極的に取り組むとした。通訳や翻訳、コーディネーター配置などを加算する。海外よりも日本での重粒子線治療費が安いことも考慮し、別料金を設定する方針だ。
 検討委の玉城信光委員長は記者会見で「県民の治療費は軽減し、医療費を還元する仕組みをつくりたい」と説明した。