コラソンきょうPO初戦 リーグ1位、大崎と激突


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社

 いざ、日本一を懸けた決戦の舞台へ―。日本ハンドボールリーグ(JHL)男子のプレーオフ(PO)は、東京・駒沢体育館で21日に準決勝、22日に決勝が行われる。レギュラーシーズン4位の琉球コラソンは21日午後1時10分からの準決勝で同1位の大崎電気と対戦する。

クラブチームで初めてPO出場を果たしたコラソンと、4年連続出場の大崎電気。新鋭と名門の意地がぶつかり合う。プレーオフの模様はインターネットで中継され、JHLのホームページから閲覧できる。(大城周子)
 準決勝の相手、大崎電気はレギュラーシーズン無敗。コラソンにとって厳しい試合が予想されるが、今季の直接対決で初戦は1点差での惜敗、2戦目も終盤までは競り合っている。ロースコアの展開に持ち込み、一矢報いたいところだ。
 大崎は厚い選手層を誇り、攻守とも安定感がある。攻撃では特に188センチのエース信太(しだ)弘樹を軸に、セットオフェンス(攻守とも陣形が整った状態での攻撃)の得点力が高い。コラソンは持ち味の足を動かす守備を徹底し、隙をつくらないことが重要になる。大同特殊鋼時代に日本一を経験したコラソンのエース棚原良は「全力でやるだけ。出るからにはもちろん勝ちにいく」と意気込む。
 湧永製薬時代に何度もプレーオフに出場し、その独特の雰囲気を知るベテラン東長濱秀作は「普段通りやろうと思ってもできる場所じゃない」と語り、あえて「思い切り緊張したらいい。訳が分からない状態でやっているうちにスイッチが入るはず」と語る。初出場の余勢を駆り、チャレンジャー精神で大一番を制したい。

◆チーム支える水野兄弟/大舞台で最後の共演へ
 選手と兼任でコラソンの運営を統括するゼネラルマネジャー(GM)を務める水野裕矢は、今回のプレーオフで現役引退を決めている。
 弟で主将の裕紀と一緒にコートに立つのも最後だ。兄弟は「夢の舞台」を最高の締めくくりにしようと気持ちを高ぶらせる。
 兄は34歳、弟は30歳。山梨県出身で、ハンドボールは兄が先に始めた。2008年、弟の裕紀は約1年半勤めた山梨の銀行を辞め、一念発起してリーグ参入を決めたばかりのコラソンに入団。実家の仕事を手伝っていた兄の裕矢も、半ば旅行気分で受けたトライアウトに合格し、2人そろっての挑戦がスタートした。
 10年、裕矢がGMに就任し、主将は裕紀にバトンタッチ。球団の経営状況が苦しい時期に奔走した兄の姿を、弟は「すごく頑張ったと思う」とねぎらう。長引くけがの影響や今後の球団運営を考え引退を決意した裕矢は、「悔いのない試合にしたい」と競技人生の集大成に臨む。

初のプレーオフ舞台が迫り、熱のこもった練習に励む琉球コラソンの選手たち=17日、那覇市
GM、主将として琉球コラソンを支える兄の水野裕矢(右)、弟の裕紀