【アメリカ】紅型の魅力 全米に 県派遣ワークショップ開催


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多くの人でにぎわう紅型のワークショップ

 20日から3週間にわたって開催される2015年ワシントンDC全米桜祭り。カルチャー紹介の公式プログラムとして「紅型ワークショップ」がジョージ・ワシントン大学の博物館で開催されている。

琉球びんがた事業協同組合の2人、県職員4人、電通沖縄の広報担当者がワシントン入り。会場には紅型の着物が飾られ、桜をモチーフにした紅型染めを体験しようと多くの人が来場し、30分以上の待ち時間にもかかわらず入場者が後を絶たない人気ぶりだった。
 紅型の着物を着て写真を撮るコーナーと、紅型模様の折り紙で着物を折るコーナーも設けられ、地元沖縄会の会員たちがボランティアとして入った。桜模様をピンク、紫、赤で染めた敷物を仕上げた日本語教師のアメリカ人は「初めての経験で楽しかった」と話した。親子で参加した県系人は「自ら染めて紅型の素晴らしさを再認識した」と話した。
 びんがた事業協同組合の屋富祖幸子理事長は、「これまで紅型は踊りの衣装としか見られていなかったが、ワシントンDCで染めを指導でき、喜んでもらえて手応えを感じた」と話した。また同組合会員の瑞慶山和子さんは「紅型の良さをこれからもアメリカ人にアピールしていきたい」と話した。
 首都ワシントンDCで昨年から行われている一連の沖縄文化を紹介するイベントについて、県の又吉進参事監は「渡米のたびに沖縄について知らなさすぎるアメリカ人が多いことを痛感してきた。米国の知識人らに、沖縄がかつて琉球王国だったこと、豊かな文化が育まれていることなどを発信すれば、豊かな感性を持った人たちに共鳴してもらえるのではと、ソフトパワー発信事業を立ち上げた」と説明。その上で「来年秋のテキスタイル博物館での紅型展への先駆けとなった」と手応えを話した。
 打ち上げの宴が逸子・アサト会長宅で行われ、関係者やボランティアをした会員たちが集まり、成功を祝った。(鈴木多美子通信員)