国、那覇の龍柱予算認めず 交付金返還も


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 那覇市が一括交付金を活用して若狭緑地への設置を進めている2本の龍柱について、内閣府が今後の予算執行を認めない方針を決定したことが7日、政府関係者の話で分かった。設置事業は2014年度中で完了予定だったがまだ完成していない。作業遅れを理由に予算繰り越しなどを認めないとみられる。

同関係者によると、予算執行状況に関する政府の精査結果によっては、交付金の返還を要求する可能性もある。
 龍柱整備は翁長雄志知事の那覇市長時代に計画を決定しており、普天間飛行場の移設問題で政府と対立する翁長氏をけん制する狙いもあるとみられる。
 龍柱は一括交付金2億5400万円を活用して整備する計画。既に約1億円を予算執行し、中国で現地の花こう岩(御影石)を用いて作製されているが、3月末までに沖縄に移送される予定が遅れている。
 市幹部などによると市も今後の予算執行を認めないとする政府側の方針について情報を得ている。一括交付金の2億5400万円は既に交付決定されているが、計画の遅れで年度をまたぐため予算の繰り越しが必要となっている。
 龍柱は11年に那覇市が福州市との友好都市締結30周年を記念し、シンガポールのマーライオンのような観光の象徴として活用する意向だ。