正社員、求人増加も就職者数は減 沖縄労働局調査


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 非正規労働者の割合が全国一高い県内雇用の改善に行政が取り組む中、企業の正社員求人は増えているものの、実際の正社員就職者数は上昇せず、依然として雇用のミスマッチが改善されていない状況が沖縄労働局のまとめで14日、分かった。県内5カ所のハローワークで1~2月の新規の正社員求人は4842人で前年同時期より490人増えた一方、実際に正社員として就職した人は16人減って1151人にとどまった。

 労働局が5カ所のハローワークで3月まで実施した「正社員就職実現キャンペーン」のうち1~2月の実績をまとめた。労働局は「正社員求人が増えたのは成果だ」とする一方で「求職者が期待する賃金や福利厚生などの労働条件が備わっていない例も多い」と雇用の質改善への課題を挙げている。
 正社員求人は、1月が前年同月比340人増の2422人、2月が同150人増の2420人と2カ月連続で前年同月より多かった。一方で、正社員就職者数は1月が同16人減の538人、2月が前年同月と同じ613人だった。非正規を含む求人全体のうち正社員求人の割合は1、2月ともに約25%だった。
 非正規社員の求人は1月が前年同月比1340人増の7226人、2月が734人増の7122人だった。非正規社員就職者数は同88人増の1152人、68人増の1446人といずれも増えている。
 労働局は、同キャンペーン中、企業側に対し、資料などを用いて早期離職者の減少につながることなど正社員採用のメリットを強調した。
 労働局の国代尚章職業安定部長は「業界団体を挙げて雇用の質改善に取り組むことが必要だ」と指摘している。