学テ対策に疑問、国家介入も危惧 那覇で学力シンポ


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 「学力シンポジウム」(「学力を考える」実行委員会主催)が25日、那覇市の沖縄大学で開かれた。現役教諭や研究者らがパネリストとして登壇し、「全国学力・学習状況調査」(全国学力テスト)での成績向上を目指し、県教育庁主導で進められる「補習」という名の「過去問題対策」について議論した。

参加者からは「学テの点数が本当の学力と言えるのか」「行政の施策によって勉強嫌いを生んでしまっている」などの意見が出た。(5月1日付教育面で詳報)
 ある小学校教諭は「勉強が分かるようになりたい、という子どもたちの期待に対して過去問対策で本当に良いのか。子どもたちに申し訳なく思う」と教師の苦悩を吐露した。
 会場には約60人が来場した。来場者からは「今後、学習指導要領が改訂され、評価や指導の仕方まで国にしばられる。学力テストの先には、国にとって都合の良い人間を育成する『日本人教育』があるのではないか」と、教育への国家介入が強まることへの危機感を示す意見などが出た。
 シンポジウムの実行委員会は、沖縄県民間教育研究所、沖教組那覇支部、沖縄県民間教育研究団体連絡協議会、沖縄大学地域研究所の4団体で構成する。