キングス初戦黒星 POファーストラウンド 大分に67―74


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 プロバスケットボールTKbjリーグの琉球ゴールデンキングス(レギュラーシーズン西地区2位=42勝10敗)は2日、沖縄市体育館で大分ヒートデビルズ(同7位=18勝34敗)とプレーオフ(PO)のファーストラウンドを行い、67―74で敗れた。

第1クオーター(Q)の開始直後からキングスの攻撃は重く、ターンオーバーを連発して波に乗れなかった。それでも守備で踏ん張って大分を9点に抑えることに成功した。しかし第2Qも重たい攻撃を改善できず、奪ったのはわずか9点。守備では大分を止められずに逆転を許し、30―31で前半を終えた。後半に入ってもキングスは攻撃の流れをつかめず、大分がリードする時間が続いた。キングスはドゥレイロン・バーンズの3点弾などで点差を詰めるが、大分は澤岻直人などが着実に得点して逃げ切った。大分との第2戦は3日午後1時から同体育館で行われる。(観客3168人)

 【西カンファレンス】
▽1回戦第1戦(大分1勝)
大分ヒートデビルズ(リーグ7位)
 74―67(9―21,22―9,21―17,22―20)
琉球ゴールデンキングス(リーグ2位)

 【評】キングスは最後まで試合の主導権を握ることができず、大事なPOの初戦を落とした。キングスは第1Qからミスが目立ち攻撃の形を作れなかった。第2Qから大分の守備が安定し、攻撃でもキングスを圧倒した。第3Q序盤はクロスゲームになったが、大分の攻撃が衰えずにキングスはリードを広げられた。最後はファウルゲームに持ち込んだが逆転には至らなかった。(平安太一)

◆序盤から奇妙な流れ 点差以上の完敗喫す
 重苦しい雰囲気を払拭(ふっしょく)できない。第1Qの序盤でミスを連発した直後から、どこか流れがおかしかった。キングスのシュートはリングに嫌われ、大分の得点を簡単に許してしまう。第1Qでリードを奪うも、いいリズムとはいえない。第2Qに逆転されてからは大分のペースで試合が進んだ。
 点差以上の完敗だった。気持ちを前面に押し出してぶつかってくる大分に対して、キングスの選手は明らかにいらだっていた。いい形で攻撃を組み立てられず、アウトサイドの簡単なシュートすら沈められない。第1Qに大分を9点に抑えた守備は第2Qに崩れ、22点を献上した。マクヘンリーは「あそこで流れが変わった」と表情を曇らせた。
 後半は意地を見せて2点差まで詰め寄る時間もあった。しかし、追い上げた直後に失点をして逆転には至らなかった。「オフェンスの悪い流れがディフェンスにも影響した」。伊佐勉HCは悔しさをにじませた。
 POの怖さと難しさは選手たちも分かってるはずだ。2年前のPOでは京都を相手に初戦で黒星を喫し、そのまま有明への道を絶たれた。同様に初戦を落とした今回、どう奮起するのか。「選手もスタッフも恥をかかされた。絶対にやり返そうとみんなに伝えた」と伊佐HCは言う。2年前の悪夢を繰り返さないためにも、もう負けは許されない。(平安太一)

◆バーンズ 随所で奮起
 第3Qの終了直前にブザービーターを沈め、第4Qには2点差に追い付く3点弾を沈める。随所で勝負強さを発揮したバーンズだったが、白星を逃した結果に「自分たちには足りない部分があった」と認めるしかなかった。
 闘志をむき出しにして戦う大分を相手に、チームはペースを握れなかった。3点弾もチーム全体で見てみると、29本中6本しか決められなかった。「プロなのでオープンのシュートは決めるのが仕事だが、できずにチームがスローダウンした」と反省しきりだった。
 初戦の黒星で崖っぷちに立たされたが、「もう一度タフにプレーをする」と次戦での巻き返しを誓う。そして、「キングスはPOでギアを上げることができるチームだ」と強調。仲間とともに奮起するつもりだ。

◆大事に行き過ぎた
 伊佐勉HC(キングス)の話 残念な結果だ。大分のディフェンスにはまってしまった。POの雰囲気の中で、大事に行き過ぎて攻撃も重くなった。下を向いている時間はない。2戦目を勝って、最終決定戦に持ち込むことに集中したい。

◆沖縄対策実行できた
 鈴木裕紀HC(大分)の話 第2Q以降は3週間かけてやってきた沖縄対策を実行できた。明日はタフな試合になる。気持ちを切らさずにトライしたい。

キングス―大分 第1クオーター、リング下に切れ込んで得点するアンソニー・マクヘンリー=2日、沖縄市体育館(普久原裕南撮影)
第4クオーター、3点シュートを沈めるドゥレイロン・バーンズ