県内企業、賃上げ予定17.4% 15年度おきぎん調査


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社
2015年度の賃金動向の回答結果

 おきぎん経済研究所(出村郁雄社長)はこのほど、県内企業の2015年度賃金動向調査をまとめた。回答502社の17・4%が賃金引き上げを予定しており、前年度調査から4・1ポイント上昇した。

賃上げ意向に一定の広がりが見られる一方で、「14年度と変わらない」と賃金水準を据え置く意向の企業も過半数の55・8%を占めている。同研究所は「円安や原油価格動向による収益への影響を考慮し、慎重な姿勢も見受けられる」と指摘した。
 調査は、1―3月期の企業動向調査(おきぎんDI)と併せて実施し、14年度に続いて2回目。
 賃金引き上げの回答を内容別にみると、「月給、賞与ともに引き上げ」は5・6%、「月給のみ引き上げ」が8・2%、「賞与のみ引き上げ」が3・6%の内訳となっている。
 「引き下げを予定」と回答したのは0・2%で、「未定」は16・1%、「未回答」は10・6%だった。業種別でみると、「情報通信サービス業」で44・4%が賃上げを予定していると回答し、賃上げ意向が最も高かった。「土木業」の23・8%、「製造業」の22・4%が続いた。
 前回14年度の調査では457社が回答し、賃上げを予定していると回答した割合は13・8%(「月給、賞与ともに引き上げ」4・8%、「月給のみ」4・8%、「賞与のみ」4・2%)だった。「変わらない」が60・4%、「下げる」が0・7%、「未定」が22・1%だった。
 出村社長は「ベクトルは賃上げの方向に向いているものの、沖縄は中小企業が多く、物価上昇分を価格転嫁できないなど人件費の増加に慎重さもある。県内の個人消費は堅調だが、賃金動向が今後の消費マインドにどう影響するか注視していきたい」と指摘した。