宮古島に着上陸訓練場検討 防衛副大臣が配備打診


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 宮古島市への陸上自衛隊配備をめぐり、防衛省の左藤章副大臣は11日、宮古島市役所で下地敏彦市長と会談し、陸自警備部隊、ミサイル部隊、高射特科群を含めた合計約700~800人規模の部隊を同市の大福牧場と千代田カントリークラブ周辺に配備することを正式に打診した。

さらに同市の高野漁港周辺を着上陸訓練場として、整備することを検討していることが11日までに政府関係者への取材で分かった。左藤氏は下地市長との会談で、高野漁港については言及しておらず、水面下で計画していることが明るみになった。
 関係者によると、高野漁港周辺は評価を含めた検討段階にあるが、防衛省は高野漁港を含めた着上陸訓練場の候補地3カ所について、早ければ本年度中から用地取得に着手する。防衛省は相浦駐屯地(長崎県佐世保市)を中心に海兵隊機能を持たせた「水陸機動団」部隊を新設する計画で、同部隊が水陸両用車(AAV7)を運用する予定だ。
 左藤副大臣は宮古島に配備するミサイル部隊について、地対空ミサイル(SAM)と地対艦ミサイル(SSM)の部隊に加え、通信などの司令機能を持った高射特科群を新編する考えを下地市長に伝達した。
 各種ミサイル部隊や高射特科群が新たに加わったことで配備予定の自衛隊員数は、昨年6月に武田良太防衛副大臣(当時)が下地市長に適地調査に協力を求めた際に言及した「350~400人」から倍近い規模となった。左藤氏が陸自配備を打診したことに対し、下地市長は「宮古の置かれた状況を考えると、理解できる」と配備に理解を示した上で、今後、議会での議論を踏まえて最終判断を出す考えを示した。
 左藤副大臣は11日午後に石垣市役所で中山義隆市長と会談、南西諸島の防衛力強化の一環として石垣島への陸上自衛隊配備も計画していることを明らかにし、調査の協力を要請した。中山市長は「協力態勢は取っていきたい」と答え、協力する姿勢を示した。配備については「市民の声を聞いて判断したい」と話した。