辺野古の浮具撤去、国は「不要」 県見解と対立


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 米軍普天間飛行場の名護市辺野古への移設計画をめぐり、防衛省が設置している浮具(フロート)や油防止膜(オイルフェンス)について、同省担当者が13日、ボーリング調査終了後に設置し続けた場合でも、埋め立て承認願書の設計変更申請を県に提出する必要はないとの見解を示した。担当者は「われわれが必要な期間は設置する」と述べ、ボーリング調査終了後、本体工事着手の際も設置し続ける可能性に言及した。

県は設置したまま本体工事に入る場合は設計変更を提出する必要があるとの認識を示している。国が県と異なる見解を示したことで、岩礁破砕許可をめぐる対立に加え、フロートなどの撤去をめぐっても県と国が対立する可能性が出てきた。
 13日、参院議員会館であった環境団体による要請行動で、防衛省経理装備局施設技術官付の職員が言及した。
 県は浮標灯(ブイ)やフロートは本体工事着手前には撤去する必要があり、撤去しない場合には埋め立て承認願書の内容変更に当たるとして、設計変更申請を事前に提出する必要があるとの見解を示している。
 一方、同省担当者は「土砂の採取場所図書と利用計画図書、環境保全図書を変更する場合は別途変更申請が必要だと(埋め立て承認の)留意事項に書いてあるが、設計概要説明書はそれに含まれていない」として、フロートなどを設置したまま本体工事に着手しても、設計変更の申請は必要ないとの見解を示した。