オオミズナギドリ、釣り針のみ息絶える 名護の海岸で発見


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釣り針と釣り糸を飲み込み死んだオオミズナギドリ=13日、名護市安部

 【名護】名護市安部の川田正一さん(64)が、釣り針とテグス(釣り糸)をのみ込んで死んだ鳥を見つけた。くちばしから2メートル近い釣り糸が出ているのを見た川田さんは「これ(釣り糸)を見てショックだった。人間のせいで本当にかわいそう。釣り人はマナーを徹底してほしい」と話した。

 川田さんが鳥を見つけたのは12日の夕方。趣味で40年続けている投げ網漁をしに、安部岬の海岸に出掛けた時だった。赤土まみれの鳥が砂浜でうずくまっていた。よく見ると、死んでおり、くちばしからは長い釣り糸が出ていた。川田さんは「こんなことは初めてだ」と話す。
 屋我地島鳥獣保護区監視員の渡久地豊さんによると、鳥はオオミズナギドリ。水鳥で、通常は沖合上空を飛んでいるために、陸上で見かけることは少ないという。
 渡り鳥で、6~7月に北海道(渡島大島)から八重山諸島(仲御神島)までの離島で繁殖する。渡久地さんは「繁殖場所に向かう途中だったのではないか」と推測した。
 NPO法人どうぶつたちの病院沖縄によると、釣り針などの鳥への被害を把握するのは難しく、同病院が来院などで把握した事例は2013年で3件、昨年は1件のみだった。長嶺隆理事長は「釣り針などの被害に遭う鳥はほとんどが洋上で生活する海鳥で、目にすることが少ない。釣り糸などのごみの量は本当に多い。きちんと片付けるよう心掛けてほしい」と呼び掛けた。