自殺志向の相談、初の2000件超 沖縄いのちの電話


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 自殺を考えている人の相談を電話で受け付ける「沖縄いのちの電話」に寄せられた相談数が2014年の1年間で1万1177件に上り、そのうち自殺志向の人からの相談件数が2051件だったことが19日分かった。13年に比べ、自殺の相談件数は358件増加、初めて2千件を超えた。「いのちの電話」は「広報活動を通して、認知度が高まっている」との認識を示す一方、相談員育成の必要性を訴えている。

 相談者の名前などを聞いていないため、県立看護大学准教授の渡久山朝裕運営委員は「同じ人が複数回、相談することも多く、実質の人数は分からない」と説明。相談件数の増加がそのまま自殺を考えている人の増加を示すわけではない、とした。

 電話相談には離婚や子育て、借金などに関するものもある。ただ自殺志向はない、と判断された場合、適切な機関につないでいるという。浜端宏次事務局長は「電話相談の目的は自殺を止めること。『死にたい』『つらい』『誰にも相談できない』などと追い込まれている電話に、より多くの時間をかけられるよう対応している」と話した。

 自殺志向の相談者を年齢別に見ると、30代が最も多く40代、50代と続く。内容は精神疾患に関するものが最も多かった。

 沖縄いのちの電話は(電話)098(888)4343(午前10時~午後11時)。