積徳女学校の案内板が完成 ふじ同窓会


社会
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案内板の完成とDVD発売について記者会見したふじ同窓会のメンバー=28日、那覇市の大典寺

 積徳高等女学校の「ふじ学徒隊」出身者らでつくるふじ同窓会(新垣道子会長)は28日、那覇市の大典寺で記者会見し、同学校の案内板が完成したことと短編映画「ふじ学徒隊」(野村岳也監督、2012年公開)のDVDが6月20日に発売されることを発表した。

 案内板には同校の沿革や当時の写真、地図などが記載されている。18年には開校から100年を迎えることも記した。同校の発祥の地とされ、慰霊碑が立っている大典寺の敷地内に6月23日に設置される。
 DVDは製作・配給の海燕社が劇場公開時より字幕を大きくするなど改良した。個人視聴用2500円、ライブラリー1万円。
 新垣会長(89)は「学校の話をすると必ず場所や学校の歴史を聞かれる。戦後70年の節目に案内板を作ることができ、より多くの人に知ってもらえる。DVDは県外、海外の人や足腰が悪く劇場で見られなかった人にも見てほしい」と話した。
 元学徒隊員の渡久地敏子さん(88)=那覇市=は「今は報道を見ても戦前を思い出す。絶対に戦争をしてはいけないと伝えたい」と語り、嘉手納米子さん(86)=同=も「戦争を思い出すとつらいが、案内板やDVDを通して多くの人に私たちのことを知ってほしい」と話した。
 積徳高等女学校の生徒らは沖縄戦当時、看護要員として学徒動員された。ふじ学徒隊の小池勇助隊長は沖縄戦末期、糸満市の糸洲壕で、元学徒らに必ず生きて親元に帰り、沖縄戦の悲惨さを後世に伝えるよう訓示。多くの隊員が生存した。
 DVD発売を記念した劇場上映が6月20~26日、那覇市の桜坂劇場、東京、大阪である。DVDの問い合わせは海燕社(電話)098(850)8485。