障がい者の運転お助け タイヤランド 県内初、先端機器導入


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運転能力を測定できるDTSの活用を呼び掛けるタイヤランド沖縄の高里健作代表(右)と喜納翼さん=29日、宜野湾市のタイヤランド沖縄

 自動車整備事業のタイヤランド沖縄(宜野湾市、高里健作代表)は、障がい者など通常の運転が困難な人たちを総合的に支援する「MOBILITY CENTER OKINAWA(モビリティセンター沖縄)」を6月に同社内に開設した。スウェーデン製の最先端機器「DTS(ドライバー・テストステーション)」を県内で初めて導入し、一人一人の運転能力を検証、その人に合った車の改造までを手掛け、ワンストップでサービスを提供する。

 センターでは車両改造に対する自治体の助成制度や、障がい者自らが運転するための補助装置を備えた教習所も紹介する。高里代表によると県内の教習所の多くは補助装置が十分に整備されておらず、将来的には教習所と連携し装置のレンタル事業も展開していきたい考えだ。
 DTSはハンドルをどのくらいの力で回すことが可能かや、アクセルからブレーキへ足を踏み替える際の脳の反応速度などを細かく数値化できる測定器。個々人の能力を知ることで、必要な車両改造や補助装置を選定できるほか、病院での具体的なリハビリ計画の策定にも役立つ。
 運転免許センターなどで実車走行試験を受ける前に自身の能力を把握でき、不安解消にもつながる。
 タイヤランド沖縄は2008年に福祉事業部を立ち上げ、車いす専用リフトや自操のための装置取り付け事業を展開してきた。
 4年前に脊髄を損傷し、車いすを使う同社福祉事業部の喜納翼さんは「自分に運転能力があるのか、最適な装置は何かなど、何も分からない状況。一般的な手動装置を使って車の少ない所で練習したが不安だった」と運転を再開した当時を振り返った。
 高里代表は「情報がないために運転をあきらめている障がい者の方も多い。多くの人にセンターを活用してほしい」と話した。
 問い合わせはタイヤランド沖縄(電話)098(898)5732。