中城御殿跡 活用を 日本考古学協、県・那覇市に要望へ


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視察する日本考古学協会の矢島国雄保護対策委員長(左から3人目)と馬淵和雄委員(同2人目)=6日、那覇市の首里高校

 日本考古学協会埋蔵文化財保護対策委員会の矢島国雄委員長が6日、校舎改築工事中の首里高校(那覇市)で発見された「中城御殿(うどぅん)」跡を視察した。

矢島委員長は視察後に県教育委員会と意見交換を西原町内で行い、中城御殿跡の保存と活用を求める要望書を来週にも県と那覇市に提出する考えを明らかにした。県教委は県議会で御殿跡の遺構を埋め戻し、地盤をかさ上げして新校舎を建築する案を報告している。
 矢島氏は「琉球王朝時代の空間世界を復元できるいい資料だ。全面的に保存し、活用法について検討してほしい」と求めた。同行した馬淵和雄委員も「第一級の遺跡だ」と評価し、大分県杵築市などで遺跡保存のため学校が移転した事例があると報告した。
 県教委文化財課は「地域の文化財保存・活用計画は各市町村が策定する。那覇市と連携して検討したい」と話した。