検証 基地をめぐる「誤解」:弾薬庫、軍港など強化


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 政府は、米軍普天間飛行場には(1)垂直離着陸輸送機MV22オスプレイなどの運用(2)空中給油機の運用(3)緊急時の外来機受け入れ-の3機能があるとしている。一方、辺野古移設で「移るのはオスプレイ運用機能のみで、他の二つは本土に移る。沖縄の負担軽減に資する」(安倍晋三首相)と強調している。だが辺野古新基地には弾薬庫や軍港といった機能が加わると指摘される。緊急時に米軍が辺野古に加えて那覇空港第2滑走路を利用する計画も明らかになっており、沖縄の基地負担は軽減しないとの見方もある。

 新基地の軍港機能に関して政府は「故障した航空機を搬出する輸送機が着陸できなくなるため、代わりに運搬船が接岸できるようにするもの」と否定している。一方政府は、新基地建設に向けた埋め立て申請を県に出した段階で初めて、新基地の岸壁の長さについて、強襲揚陸艦を接岸できる米国防総省の安全基準と一致する数値に延長した。
 またウィキリークスが公開した2009年10月15日付の米公電は、同月12日の日米協議で、防衛省高官が辺野古新基地に高速輸送船やオスプレイが配備される計画に言及したと明記している。オスプレイの配備は1990年代には米側から日本政府に伝えられたが、政府は「決まっていない」と説明し続け、11年になって初めて公式に認めた。
 米海兵隊は最新鋭ステルス戦闘機F35を嘉手納基地や伊江島補助飛行場で運用する計画で、辺野古に飛来する可能性も指摘されている。