検証 基地をめぐる「誤解」:財政移転は突出せず


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 予算面で国から「厚遇」を受けているとの見方もされる沖縄県だが、全国の自治体と比較すると、突出しているとは言えない。

 2013年度ベースで他の都道府県と比較すると、人口1人当たりの国庫支出金は26万4千円で全国4位、総額3737億円は14位につけている。1人当たりの地方交付税は25万3千円で19位、総額3593億円は18位だった。
 さらに国庫支出金と地方交付税を合計した国からの財政移転は、1人当たりで9位(51万8千円)、総額で17位(7330億円)となっている。国からの財政移転の金額は1人当たりでも、総額でも一度も全国1位になったことはない。沖縄だけが「特別扱い」をされているわけではないことが数字から裏付けられる。
 旧国鉄などによる大規模な開発が行われた本土と違って、米施政権下にあった沖縄にはこれらの大型投資がなかった。その上で、県民経済で見る1人当たりの公的支出額(10年度)では全国14位の104万8千円にとどまっている。県企画調整課は「沖縄だけが特別に国から予算をもらい過ぎているという状況にはない」と説明し、ホームページでも全国との比較を紹介している。