FC琉球5位再浮上 サッカーJ3第21節


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後半、ヘディングで貴重な2点目を追加するFC琉球のDF浦島貴大(左から3人目)=19日、県総合運動公園陸上競技場(諸見里真利撮影)

 サッカー明治安田J3のFC琉球は19日、ブラウブリッツ秋田と県総合運動公園陸上競技場で第21節を戦い、2―1で勝利した。連敗を2で止め、13チーム中6位から5位に再浮上した。8勝4分け8敗、勝ち点28。

 DF前田晃一がレノファ山口へ移籍した琉球は3バックの一角に初先発のDF朴利基を起用した。FW藤井貴のPK、DF浦島貴大のヘッドで先行。秋田の反撃を1点に食い止め、逃げ切った。
 次節は長野パルセイロと26日午後6時から、同競技場で対戦する。

(2)沖縄県(琉球2勝)
琉球 8勝4分け8敗(28)
2―1(1―0,1―1)
秋田 5勝2分け12敗(17)
▽得点者【琉】藤井(PK)(1)浦島(2)【秋】前山(6)
▽観衆 897人

 【評】琉球は前半16分、藤井がPKで先制した。秋田を積極的に攻めて試合の主導権を握った。後半の立ち上がり直後、富所が浮かせたフリーキックを浦島が頭にぴたりと合わせ、貴重な2点目をものにした。秋田もその後すぐ1点を追加するが、琉球は手堅い守備で逃げ切った。(石井恭子)

◆プレーにすごく忠実
 薩川了洋監督(FC琉球)の話 前半は計画通り、前めからはっきり行くプレーにすごく忠実に動いてくれて完璧に近かった。2点目は練習してきたセットプレーで取れた。2―0で終わればベストだったが、1失点が少し不注意だった。今日は勝ちたい気持ちが相手を上回っていた。

◆1点返すのがやっと
 間瀬秀一監督(ブラウブリッツ秋田)の話 前半が全てだった。湿度の高さ、雨でぬれたピッチに注意深く入りすぎて、気持ちより頭で考えるのを優先してしまった。PK、フリーキック、全てが後手に回って1点取り返すのがやっとだった。二度とこの前半のようなことが起きぬよう、今日を教訓にしたい。

◆攻撃果敢 浦島が決勝点/新たな守備陣も機能
 ブラウブリッツ秋田のゴールを果敢に攻め、PKとセットプレーで2得点を挙げたFC琉球が勝利、連敗を止めた。DF前田晃一のレノファ山口移籍後、短期間で組み立てた守備陣。川邊裕紀、浦島貴大に今季初先発の朴利基を加えた守りに「組織、マークがすごくはっきりして良かった」と薩川了洋監督は太鼓判を押す。朴については「前田の代わりに十分できる。1週間で組み立てたので逆に自信をもってほしい」と評価した。
 久しぶりに先発したFW藤井貴は、昨年まで在籍した秋田に貴重な先制点を見舞った。FW田中恵太へのファウルからのPK。今年初めて試合を見に来たという家族が観戦する中、「恵太が譲ってくれたのでしっかり決めた」と喜ぶ。前線でハードワークをこなし、勝利に大きく貢献した。
 後半開始直後、MF富所悠のフリーキックからヘディングで追加点を挙げた浦島は、この日のゲームキャプテンも務めた。「カバーし合ういいゲームだった。チャレンジャーのカバーもできていたので行きやすかったと思う」と振り返り、25日の長野パルセイロ戦を見据えた。一度も勝てていない3位の長野戦に向けて薩川監督は「元長野組は3人おり、自分の古巣でもあるのでこの勢いのまま足を引っ張ってやりたい」と闘志を燃やした。(石井恭子)