フジロックで「deadmau5」にKO!


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ネズミのかぶりものがトレードマークの「deadmau5」

保守化した耳に刺激与えてくれる音楽フェス
 休日に自宅で掃除をしたり、料理をしたりしていると、なんとなく音楽が聴きたくなる。でも、選曲するのは昔聴いていたナンバーばかり…。40代に入り、音楽の好みが固定化してしまったのはどうやら間違いなさそうだ。

 そんな“保守化”した耳に刺激を与えてくれるのが、夏に全国各地で開かれている野外の音楽フェスティバル。世界のトップアーティストから気鋭の若手バンドまで、さまざまなタイプのミュージシャンが出演するため、筆者にとってこれまで聴く機会がなかった音楽に触れられる貴重な場となっている。
 毎夏恒例の「フジロックフェスティバル」(新潟県湯沢町、7月24~26日)を取材で訪れた。19回目の開催となる今年はロックバンド「フー・ファイターズ」「ミューズ」など海外のビッグネームに加え、椎名林檎や星野源、「ONE OK ROCK」など日本の人気アーティストがめじろ押しだった。その中で、筆者をノックアウトしたのは、全くノーマークだったアーティスト。2日目に登場した「deadmau5(デッドマウス)」だ。
 大勢の観客が詰め掛けたシンガー・ソングライター岡村靖幸の熱いライブを抜け出し、予定時刻の10分前に会場の「グリーンステージ」に着いた。すると、既に大音量でエレクトロニック・ダンス・ミュージック(EDM)が流れ、ステージにはネズミの人気キャラクターを連想させるかぶり物をした男性がDJのパフォーマンスを披露していた。
 EDM界の事情に疎く、全く予備知識がなかったため、恥ずかしながら当初は「本番前に観客を退屈させないための前座の方なのかな」と思っていた。ところが、ずしんと響く重低音のビートにのせながら次々に繰り出されるメロディアスなサウンドに、あっという間に夢中に。体が自然と動きだし、一番盛り上がるさびでは周りの観客と一緒に両腕を上げながら跳びはねてしまった。
 ユニバーサルミュージックによると、deadmau5ことジョエル・ジマーマンはカナダ・トロント出身。エレクトロニック・ミュージックのプロデューサー兼DJとして活躍しており、海外の大型フェスでヘッドライナーを務める実力派という。
 新たな音楽との出会いこそフェスの醍醐味。これからはきっと休日にEDMを楽しむ機会が増えるのだろう。ノリのいいビートに合わせて体を動かせば、片付けもてきぱきと済ませられそうだ。でも料理は一体どんなものになるんだろう…。できあがりが楽しみ?!だ。(松木浩明・共同通信記者)
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松木浩明のプロフィル
 まつき・ひろあき 1996年に入社し、文化部で音楽を担当。レシピ本を参考に世界各国の料理に挑戦する日々。
(共同通信)