アームレスラー仲松さん ブランク越え、来月世界大会


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2人を相手にトレーニングする仲松克夫さん(右)=19日、名護市宮里

 【名護】8月9日に東京都であった第33回JAWA全日本アームレスリング選手権大会に出場し、100キロ超のライトハンド(右腕)、レフトハンド(左腕)ともに準優勝を果たした仲松克夫さん(40)が、9月末にマレーシアで開かれる第37回WAF世界アームレスリング世界選手権大会に出場するため、最終調整をしている。

日本トップレベルのアームレスラーは「40代で優勝、一般クラスでは表彰台を目指す」と述べ、体格もパワーも驚異的な世界の猛者をねじ伏せて表彰台を狙う。
 仲松さんは興南高校時代からアームレスリングを始めた。破竹の勢いで「腕」を上げ、全日本大会の優勝は左腕で1回、右腕で2回果たし、アジア選手権でも表彰台に立ってきた。
 世界大会にも3回出場している。2010年以後、本業の海ブドウ栽培が忙しく、遠ざかっていたが、再び表彰台に立ちたい欲求と仲間からの期待を受けて、3月からトレーニングを開始した。
 当初は懸垂が2回以上続かないほどなまっていたが、半年の訓練で2010年時の8割まで仕上げた。世界に向けてさらに追い込むが、今年は「技術は過去最高の仕上げ」と自信を見せる。
 身長186センチ、体重122キロの仲松さんが小さく見える世界大会では、腕の長い相手と組むことになる。今回は、相手に押さえ込まれ、手のひらが上を向く「手が寝る」状態にならない技術を磨く。なにより「肩の力が腕に伝わる感覚がさえている」ことがポイント。腕の力を最大限に発揮するフォームと体使いのレベル向上で、試合直後の一瞬を制する狙いだ。
 19日には名護市の名護ジムで、タオルを使って2人を相手にする方法で、真っ赤な顔と腕に血管を浮かせながら、本番に向けたトレーニングを繰り返した。4度目の世界大会へ「以前は力だけで闘い、しんどい試合を繰り返したが、今回は技術も合わせて世界の壁を越えたい」と語った。
 名護ジムの島袋正和会長は「彼の力では優勝も射程距離だ。沖縄初の世界王者になってほしい」と期待を掛けた。