石垣、与那国教委 育鵬社公民を採択 来年度から使用


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 【石垣・与那国】2016年度からの中学校の教科書について石垣市と与那国町の教育委員会は24日の臨時会で、教科用図書八重山採択地区協議会(会長・石垣朝子石垣市教育長)が選定した保守色の強い育鵬社版の公民など9教科15種目の教科書を採択した。

 公民に育鵬社を選定した理由について石垣市教委は「理想の国や社会は自然に生まれてくるものではなく私たちが努力して実現させるという趣旨が示されている」などと説明した。
 石垣市教委の臨時会で教育委員は「自虐的でなく前向き」などとそれぞれ意見を述べ、協議会の答申通り育鵬社版を委員5人の全会一致で採択した。
 育鵬社の公民は国防や憲法改正などで保守的な記述が多いことから市民の間で反発が強い。閉会後、会見した石垣教育長は「選定委員は(それらを)自ら勉強していると思う。協議会では調査員の報告書も参考にし選定を進めた」と説明した。ほかの教科書と比べて評価された具体的な点や、専門家らが指摘する育鵬社の問題点を議論したかどうかは明確な回答を避けた。
 17日の協議会を非公開としたことは「4年前の採択時にやじがあったり委員への誹謗(ひぼう)中傷があったり、住民同士の争いも避けたいと考えた」と説明した。