航空機遅れ3年で3倍 那覇空港、進入路に大型船航路


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 那覇市若狭にある那覇港クルーズ船専用岸壁への大型クルーズ船の寄港増加などが原因で、航空機の那覇空港着陸が待たされる事例が2012年度から3年間で約2・8倍に増えていることが25日、分かった。滑走路延長上を高さ35メートルを超える船が通航する際、航空機の着陸が許可されないため、着陸の遅延が生じている。船舶代理店に対して入出港時間の変更を那覇空港事務所に迅速に連絡するよう求めるなど、那覇港管理組合は対応に乗り出している。海外からの観光客増に伴い、海路と空路が干渉し合う課題が浮き彫りになった格好だ。

 滑走路延長上の一定の範囲を高さ35メートル以上の船が通航している場合、航空機の着陸が禁じられている。那覇空港滑走路北側に設定された同範囲と、那覇港への船の航路が交差しているため、高さ35メートル以上の船が通航しているときは航空機が那覇空港に着陸することができない。
 空港事務所によると、船舶の通航が原因で着陸が遅れた航空機数と合計遅延時間は12年度が343機で37時間だった。13年度は596機で66時間、14年度は969機で94時間となっていて、3年間で航空機数は約2・8倍に、遅延時間は約2・5倍に増えている。同事務所は14年12月、県を通して那覇港管理組合に船舶の定時通航などを求めた。
 那覇港管理組合によると、35メートルを超える船舶の通航は14年度に788回、そのうちクルーズ船は150回、19%を占めた。同組合業務課の担当者は大型クルーズ船の寄港増と那覇空港の離発着便増が遅延増加の主な要因と分析し「入出港時間の変更などを代理店から空港事務所に速やかに連絡してもらうことで、遅延時間の短縮化に努めたい」と語った。
(当銘寿夫)