海保、宮古に尖閣対処拠点整備へ 伊良部が有力


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海上保安庁の尖閣諸島周辺警備強化の見通し

 【東京】海上保安庁は27日、2016年度の概算要求を発表し、尖閣諸島周辺への外国漁船の領海侵入に対処するため、機動性に優れ、規制機能を強化した新型の「規制機能強化型巡視船」を運用させ、宮古島周辺に拠点を整備する方針が示された。中国漁船への対応を念頭に尖閣の警備体制を強化した格好だ。海上保安庁によると、漁船への対応体制の確立は18年度末を目指している。同庁は拠点の詳細な場所については「県と調整中だ」としているが、県など複数の関係者によると、伊良部島が有力候補地として挙がっており、遊休化している長山港の活用を視野に入れている。

 同庁の概算要求によると、新型巡視船は14年度からすでに予算化しており、18年度末には合計9隻体制とする方針。次年度に新型巡視船3隻の予算として20億円、宮古島の拠点機能の確保として7億3千万円を要求している。同庁は外国公船に対応するため、石垣島に大型巡視船10隻とヘリ搭載型巡視船2隻による尖閣専従チームを近く発足させる予定だ。宮古島周辺にも拠点が整備された場合、尖閣への対応船舶は合計20隻を超える規模となる。
 那覇基地にあるジェット機「ファルコン900」の老朽化に伴う代替機として、新型ジェット機を導入することも明記された。那覇基地のジェット機は現在2機体制だが、新型のジェット機を3機導入し、尖閣諸島の監視を24時間体制とする。そのほか概算要求には尖閣関連で石垣港の機能強化として13億5千万円、燃料費の確保などとして30億8千万円が盛り込まれた。