沖国大にゲーム開発講義 人材育成強化へ来年度から


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 沖縄国際大学産業情報学科(小渡悟学科長)は2016年度から、ゲーム開発に特化した講義を新設する。スマートフォン向けのアプリ開発企業の集積が県内で進む中、需要に応じた人材育成を強化する。民間企業からも講師を招き、デザインや3D画像の作製技術などを体系的に学ぶ。

学科ではアジア展開を目指す企業の増加を見据え、語学教育の充実も進めている。県内のIT各分野で人手不足が指摘される中、産学連携の取り組みが今後の人材強化の鍵を握りそうだ。
 産業情報学科ではプログラミングやシステム設計など技術的な知識のほか、情報分析や経営学も学ぶ。毎年約120人が卒業し、そのうちの70~80人がIT企業に就職するという。
 16年度に学科内のコースを改編する。情報デザインコース(仮称)にゲーム制作・アプリ開発分野、グローバル経済コース(仮称)に英語や中国語を学ぶグローバル分野を新設する。
 ゲーム関連の科目は、ゲーム開発演習や3DCGアニメーション演習、見やすい画像デザインなどを学ぶUI概論など。担当教員は現在、ゲーム開発における実務経験を有する講師を募集している。民間企業の社長などを非常勤で招いた実践授業も検討する。
 県内では、県内民間企業で構成する沖縄企業ゲームコンソーシアム(OGDC)が昨年設立するなど、産業に盛り上がりが出てきている。現在10社が加盟する。今後人材育成や観光業との連携、ゲーム開発の大会誘致などを進める。
 小渡学科長は「プログラミングなどに加え、デザインや経営の授業を強化することで、ゲーム開発ができる人材の育成につなげたい」と意気込みを語った。
 産業情報学部の安里肇教授は「IT人材の需要は各分野で高まっている。企業との連携や小中学生へのIT教育、外国語の習得などを教科していく」と話した。(長嶺真輝)