物不足、孤児…戦の傷伝える90点 「敗戦と収容所生活」展


社会
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日本軍の降伏調印式の日に合わせて催された展示で実物資料に見入る来館者=7日、糸満市の県平和祈念資料館

 【糸満】70年前の沖縄での日本軍の降伏調印式の日に合わせ、糸満市の県平和祈念資料館で7日、子ども・プロセス企画展「敗戦と収容所生活」が始まった=写真。沖縄戦直後の住民生活の様子を写真や証言、実物資料で紹介している。入場無料。午前9時~午後5時で11月23日まで。

 沖縄戦直後の民間人収容所や孤児院の様子を伝える写真や、物資がない中で住民たちの心を癒やしたカンカラ三線、収容所で配布された「ウルマ新報」など約90点の資料を展示している。
 米兵による婦女暴行事件が多発し、沖縄民警察が住民に注意喚起を呼び掛ける命令書「住民ノ通行ニ関スル件」は15年ぶりの公開だ。
 学芸員の平田守さんは「親と離れて孤児になった子どもや、生き延びても環境の悪さで亡くなった人も多くいた。戦争が終わったからすぐに平和な世になるわけではない。戦争の傷跡を知ってほしい」と話した。