知事、きょう取り消し表明 辺野古埋め立て阻止へ最大権限


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翁長 雄志知事

 翁長雄志知事は14日午前10時、県庁で記者会見し、米軍普天間飛行場の移設に伴う名護市辺野古の新基地建設計画について、前知事による埋め立て承認の取り消しを表明する。政府は辺野古新基地建設に関して、2013年12月に仲井真弘多前知事から承認を得たことを理由に作業を行っており、取り消しでその法的根拠が失われる。

県は最初の手続きとして沖縄防衛局の反論を聞く意見聴取を予定しており、実際の取り消しは1カ月程度先になる見通し。翁長知事は昨年の知事選以降、埋め立て承認の取り消しや撤回などに言及して新基地建設を阻止すると表明しており、これまでで最大の行政権限行使となる。
 翁長知事が1月に設置した法律や環境の専門家で構成する第三者委員会は半年間の検討を経て、7月16日に埋め立て承認に「瑕疵(かし)があった」とする報告書を知事に提出した。知事はこれまで結果を「最大限尊重する」と表明し、取り消しに向けて検討する意向を示していた。
 県関係者によると、県が14日に発表する取り消し手続き開始の理由は、基本的に第三者委員会の報告内容に沿ったものとなる。
 これに対して政府は承認を取り消されても新基地建設工事を進めると表明している。
 その場合、法的根拠が失われたまま埋め立て事業が行われる異例の事態となると同時に、最終的には県と政府が法廷闘争に入ることも予想される。
 一方、沖縄防衛局は12日、県と政府による集中協議が決裂したことを受け、協議期間中は停止していた新基地建設作業を再開したばかり。来週半ばに本体工事に向けた海底ボーリング(掘削)調査を再開し、10月にも本体工事に着手することを検討している。