新卒採用「増」最多42% 16年県内企業見通し


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 求人おきなわ(那覇市)は19日までに、2015年の企業採用活動白書をまとめた。16年の新卒採用数の見通しについて「増加」が前年比5・4ポイント増の42・4%を占め、03年新卒の調査開始以来、初めて回答別でトップとなった。比率も過去最高を記録し、あらためて企業の採用意欲の高まりを示した。一方、県内景気の拡大基調に伴う人手不足で「採用しにくくなる」との回答も57・6%と半数以上を占めた。16年卒からの選考日程の後ろ倒しで、他社との選考時期の重複を懸念する声も多い。

調査対象は、同社が3~7月に計4回開催した合同企業説明会に参加した企業。92社が回答した。
 採用数については、最多の「増加」に次いで「今年度並み」が40・2%、「減少」が8・7%と続いた。ただ採用基準は「今年度並み」が前年とほぼ同水準の71・7%を占めた。
 採用予定数に満たない場合は中途採用や第二新卒から補充するとの回答もあり、「求める人材レベルを下げない」との姿勢が目立った。
 採用活動の見通しでは「15年卒と変わらない」が27・2%、「採用しやすくなる」は10・9%だった。それぞれ理由は「厳選した学生を採用することは変わらない」「早めのスタートがきれた」などがあった。
 一方、最も多かった「採用しにくくなる」と回答した企業は「解禁日の変更で大手の採用時期と同日程になる」「売り手市場の現状」などを理由に挙げた。
 今回から詳細な調査を始めたインターンシップの実施状況は「継続して実施する」が40・2%と最多。
 さらに「これまで実施してないが、今後実施する」も13・0%に上り、早期の接触で学生を囲い込みたい企業側の思惑がにじんだ。
 求人おきなわ担当者は「企業は初めての選考日程で、応募時期など他社の動向を見ながら動きを模索していた。日程が見通しづらく、大学側からも学生に助言がしづらいとの声も聞かれた。採用意欲は高まっているが、両者は模索しながら活動している」と話した。(長嶺真輝)