オリオンビール、今帰仁にホテル建設計画


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 オリオンビール(浦添市、嘉手苅義男社長)が今帰仁村与那嶺にある公立学校共済組合の旧保養施設「梯梧(でいご)荘」の跡地3万2628平方メートルを購入し、250~300室規模のリゾートホテルを建設する計画を進めていることが24日までに分かった。

埋蔵文化財の保全を図りながら、早ければ2019年の開業を想定。来年3月までの土地売買の契約合意に向けて今帰仁村と交渉を進めている。
 1977年に教職員やその家族の福利厚生を目的に開所した梯梧荘は、利用者の低迷により2008年に閉鎖。10年に今帰仁村が土地と建物を合わせて約1億1千万円で取得していた。後背地に長浜ビーチを備えた立地の一方、敷地地下の約4割(1万3千平方メートル)の範囲に「西長浜原遺跡」の存在が確認されており、その上に新たな施設を建設する場合は記録保存のための調査を事業者が実施する必要がある。
 村による取得後は、5年間の管理運営契約を交わしていたゆがふホールディングス(名護市)が跡地へのホテル建設を計画していたが、記録保存調査の調整などから計画は頓挫していたという。今帰仁村はゆがふHDとの契約満了に伴い、ことし3月に新たな利用者の公募を実施。賃貸、売買を問わず跡地利用の企画提案を募っていた。
 公募には3社の提案があり、企画内容を審査した管理運営業者選定委員会は5月、オリオンビールを第一交渉権者とすることを与那嶺幸人村長に答申した。オリオン側は遺跡範囲外を開発整備することで、埋蔵文化財の保全を図る提案をしたという。今帰仁村は村議会9月定例会に土地鑑定に必要な予算を提案し、売却価格の提示作業を進める。
 オリオンビールは昨年7月、本部町のエキスポランド跡地に「ホテルオリオンモトブリゾート&スパ」を開業させており、北部地域でのリゾート開発事業を強化している。