音大卒のイケメングループ2作目
3人のテノールと2人のバリトンからなるボーカル・グループの2作目となるメジャー流通盤。全員が音大卒のイケメンと知ると、素直に聴けない人もいるだろうが(笑)、実に楽しい。
例えばボロディンの名曲は、日本語詞やポップス寄りの歌唱で、ラブ・バラードの『EXILE~ダッタン人の踊り』に新装したし、有名なインスト曲『情熱大陸』に日本語詞を乗せて高らかに歌うと、この曲は人間讃歌だとあらためて強く思う。彼らの推薦人でもある湯川れい子が作詞した『ランナウェイ』のカバーは、5人にかかれば、格調高い結婚式ソングに激変して面白い。
さらに、これらの魅力を引き出しているのは、同時に収録されたクラシック系の5曲だ。特に、『’O SOLE MIO』は、サビでのロングトーンの圧倒的なオーラにシビれた。
ボーナス以外の全9曲を、羽毛田丈史が編曲していることも大きいだろう。本作を聴けば、水と油のような真逆の存在でも、自分の糧になることを実感するはず。
(ソニー・CD+DVD初回盤3704円+税)=臼井孝
(共同通信)
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
臼井孝のプロフィル
うすい・たかし 1968年生まれ。総合化学会社、広告代理店勤務を経て、T2U音楽研究所を設立。音楽市場分析のほか、音楽配信サイトやオムニバスCDの選曲を手がける。
ERJ (2015-09-02)
売り上げランキング: 5,812