防衛局、漁港埋め立てなど「協議不要」と主張 新基地建設


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 名護市辺野古の新基地建設に向け、沖縄防衛局が県に申し込んだ埋め立て本体工事の実施設計協議で、防衛局側が作業ヤードを造るための辺野古漁港の埋め立てや美謝川の水路切り替えについて「仮設のもの」との理由で、県との協議は不要だと主張していることが分かった。これに対して県は辺野古漁港への作業ヤード設置は「埋め立てそのもの」で、また美謝川の切り替え水路は「恒久的に存在することになる」と指摘し「仮設とは認められない」として協議を求めている。

 県海岸防災課は9月29日、防衛局に文書を送付し、実施設計協議は「(防衛局が県に提出した)公有水面埋め立て願書に記載された工事について説明を求めている」と指摘した。美謝川切り替えや作業ヤードの設置は同願書で付帯工や埋め立て工と記載されている。
 同課は「防衛局側は協議が必要なのは飛行場部分にかかる本体工事だと主張しているが、設計概要に書かれた工事は全てが協議の対象だと念押しした」と文書送付の理由を説明した。
 防衛局が主張する「仮設」の認識について、県は「美謝川の水路を切り替えれば、川の入り口が変わり、そこからずっと流れ続ける」と指摘している。
 辺野古漁港の埋め立て地について、埋め立て承認願書は「作業ヤードとして使用が終わった後は緑化対策などを行い、住民の憩いの場として活用する」と記載していることなどから、県は「仮設ではない」と強調している。
 防衛局は名護市とも協議をする必要があるが、市側は反対している。