障がい者雇用「まず機会を」 村木前厚労次官が講演


社会
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村木厚子氏

 雇用・就労支援フォーラム(同実行委員会、県中小企業家同友会・健障者委員会主催)が3日午後、宜野湾市の沖縄コンベンションセンターで開かれた。村木厚子前厚生労働事務次官が障がい者雇用政策について講演した。

村木氏は過去に障がい者を対象にした短期の試験的雇用制度が導入された際、試験雇用から3カ月後の統計を取ると、約9割の人たちがその職場で正式に雇用された事例を紹介した。「いかに(企業側が)知らないままで怖がっていたかが分かる事例だ」と述べ、まずは企業が障がい者雇用をしてみる機会をつくる意義を強調した。
 一方、障害者雇用促進法の改正で、来年4月からは、障がいのある人が働きやすく、力を発揮できる職場環境をつくる質的な側面もより求められると説明した。「例えばスロープの設置など、企業ができる範囲で働く環境の障がいを取り除く工夫が求められる。一番大事なのはコミュニケーションだ」と話した。
 村木氏は障がい者雇用をする企業経営者らに対する要望として(1)働くことの意味を大切にする(2)できることに目を向け、能力を過小評価しない(3)顔の見える関係で総合的な支援をしてほしい-と述べた。