特定失踪者救出訴え 浦添で集会、家族ら思い語る


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特定失踪者の兄・進さんを救出するための活動について話す藤田隆司さん=3日午後7時半ごろ、浦添市産業振興センター・結の街

 北朝鮮による拉致の疑いがある「特定失踪者」らの早期救出を求める「忘れないで・特定失踪者 全国一斉活動沖縄集会」が3日、浦添市産業振興センター・結の街で開かれた。約160人の参加者が集まり、特定失踪者の家族らの思いに耳を傾けた。
 北朝鮮による拉致の疑いが否定できないとされる特定失踪者は、警察庁の発表で全国に877人いる。沖縄県内には32人いて、集会を主催した「忘れないで特定失踪者」全国一斉活動沖縄集会実行委員会によると、人口比では石川県に次いで全国で2番目に多いという。
 集会では、全国一斉活動実行委員会の藤田隆司さんが講演した。1976年に19歳だった兄・進さんが突然行方不明となった。失踪の理由が分からないまま28年がたったが、2004年、北朝鮮の脱北者が日本からの拉致被害者の写真を持っていたことで事態が大きく動く。鑑定の結果、進さんと同一人物である可能性が極めて高いことが分かり、07年には週刊誌に「実行犯の告白」とする記事が掲載された。
 藤田さんは「拉致であることは明らかなのに、日本政府は写真が出て11年もたった今でも拉致被害者として認定していない」と話し「拉致は最大の人権侵害で、日本への主権侵害そのもの。北朝鮮は人生を、自由を、国民を平然と奪うというあり得ないことをしている。絶対に許せないし、許すような日本であってはならない」と批判した。
 またアメリカ出身の弁護士でタレントのケント・ギルバートさんも「米国民から見た拉致問題」と題して講演した。