基地と世界遺産隣接は「いびつ」 北部訓練場で国頭村長


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 【国頭】米軍北部訓練場の過半面積の返還に伴い、国頭村内4カ所で予定されるヘリコプター着陸帯(ヘリパッド)建設に関し、東村と大宜味村の「島ぐるみ会議」代表者らは5日、国頭村役場に宮城久和村長を訪ね、北部訓練場の無条件の過半返還と世界自然遺産登録のための全面返還を政府に求める要望書を提出した。宮城村長はヘリパッド建設への賛否や無条件返還の要請実施を現段階で明言するのは難しいとした上で「本来は基地の隣に世界自然遺産、国立公園があること自体が、ちょっといびつ」との考えを示した。

 要望書の提出には山城正和国頭村議、吉浜覚大宜味村議、伊佐真次東村議も参加し「(ヘリパッドに飛来する)オスプレイの低周波音のヤンバルクイナ、小動物などへ悪影響が懸念される」「国立公園は国が決めるが、世界自然遺産は国際自然保護連合(IUCN)が決定する。そばにオスプレイやヘリが飛んでいるとなかなか難しいと考える」と述べ、世界自然遺産登録に不利になることを懸念した。

 宮城村長は「北部訓練場を早期返還してほしいことは菅官房長官に申し上げた」と述べ、その上で、無条件の過半返還や全面返還を国に求めることについては「私の一存では厳しい。村民の中で皆さんと同じ意見、そうでない意見もあると思う」と話し、現時点では難しいとの考えを示した。