高江洲(成年男子ミドル級)準V 和歌山国体第10日


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社

 【和歌山国体取材班】第70回国民体育大会「2015紀の国わかやま国体」第10日が5日、和歌山県内各地で行われ、ボクシング成年男子ミドル級で高江洲正達(東洋大)が準優勝した。空手の組手団体は、海邦国体以来28年ぶりの入賞となる5位に入賞。空手の県選手団は総合成績5位に入り、21年ぶりの入賞を果たした。

成年男子ミドル級決勝、闘志を前面に出して相手を攻める高江洲正達(左)=5日、和歌山県の田辺スポーツパーク体育館(普久原裕南撮影)

◆闘志前面 判定一歩及ばず
 あふれ出す闘志がリングを満たす。前へ前へ。高江洲正達(沖尚高―東洋大)は攻め続けた。強敵にもひるまずに拳を繰り出す。試合終了の瞬間は手応えもあった。判定で一歩及ばずに、「優勝したかった」と悔しさもある。それでも「練習してきたことは出せた」とすっきりとした表情を見せた。

 劣勢となった1回を「いらなかった」と悔やむ。長いリーチで攻撃する相手にダウンを取られ、「スピードもパンチ力もあった」と強さを肌で感じた。2回を前にセコンドから受けた指示は「がんがん(前に)行け」。距離を詰めて手数を増やす。練習で強化したことをリングにぶつけた。
 2回のゴングと同時に大きく踏み出した。何度も相手をロープに追い込み、強烈なストレートをたたき込んだ。的確にカウンターを決める相手にも屈せず、最終ラウンドも手数を減らさなかった。「2、3ラウンドは自分のやりたい通りにできた」と力を尽くした。

 全国の実力者が集まる国体で準優勝。賞状を抱え、「誇りに思う」とはにかむ。中学時代は不良だったといい、「金髪で学校に行ったら3秒で帰らされました」と笑う。恩師の金城眞吉氏と出会ってボクシングを始め、「人生が変わった」。全国でも実績を残せる選手に成長して「やればできるんだ」と感じた。11月に控える全日本選手権では「優勝します」と宣言する。闘志を前面に押し出して、再び全国の頂に挑む。(平安太一)