県内がん発生率は全国平均以下 95年県がん登録報告書

  県内のがん発生率は全国平均を下回り、胃がんの発生は全国平均の半分以下であることが県長寿社会対策室と県衛生環境研究所の調査で分かった。調査結果はこのほど発刊の「1995年度県がん登録事業報告書」で発表された。全体のがん発生率は低いものの、男性は気管支・肺がん、女性は子宮がんがそれぞれ全国を上回っている。胃がん発生率が低いことについて県は「塩分の摂取量が少ないことが大きな原因だろう」と説明しており、沖縄の食生活とがん発生率が大きく結び付いていることが浮き彫りになった。 調査はがん患者の情報を記した「悪性新生物登録票」を集計したもの。集計は医療機関からの届け出や衛生環境研究所が医療機関に出向いて診察記録を登録票に書き写すなどして集めている。全国では34の府県市で実施されており、沖縄県は88年から集計を始めて96年までに1万6663件の情報が集まっている。 人口10万人当たりでがんにかかる率を示す年齢調整罹(り)患率を88年から92年までみると、全国推計値(91年)が258・8に対して県内は180・2から217・3の範囲にとどまっており、全国平均を下回っている。 がんの種類別の発生率(91年)男女別でみると、男性は胃、肝臓、膵臓(すいぞう)などのがんは低く、気管支・肺、口腔・咽頭、食道などが高くなっている。女性は胃、結腸、乳房などのがんは低く、子宮、卵巣、気管支・肺のがんなどが高くなっている。 胃がんは男女とも発生率が全国の半分以下と低くなっている。これについて県は「胃がんは塩分の摂取量が多いところが高くなっており、沖縄が低いのは塩分の摂取量が低いことが大きな原因だろう」と説明している。 一方で気管支・肺がんの発生率が高いことについては「ウイルスの関係もあって解明されていない部分も多いが、沖縄は若年者の喫煙率が高いことなども要因になっているかもしれない」と分析している。 県はがん登録事業について「がんに関する基礎情報として健康づくりの指針などに役立っている。がんによる死を少しでも減らすため、がん登録への協力をさらに医療機関などにお願いしたい」と話している。