宮古 サメ駆除の制度適用は困難か、ワシントン条約絡む

  【宮古】サメによる死亡事故で平良市、伊良部町漁協がサメ退治に乗り出しているが、県内では1993年度以降、漁業保護を目的とした国、県の補助によるサメ駆除事業が実施されていないことが分かった。宮古市町村会(伊志嶺亮会長)が駆除への補助を打診しているが、県漁政課は「人的被害は対象外」とし「制度適用は困難」としている。野生生物保護のワシントン条約との関連もあるという。
  以前に実施されていたのは「有害動植物除去事業」制度。漁業被害の防止、軽減を目的に、水産庁(2分の1)、県(4分の1)の補助でサメ、オニヒトデの駆除を実施していた。継続して導入されていたが92年度の平良市、糸満市のサメ駆除を最後に、実施されていない。
  この間、平良市漁協では88年度の202匹ほか、毎年100匹以上のサメを駆除をしていた。
  事業導入を中止した理由について漁政課は「効果を含めて、必要ないと判断した」としている。
  平良港地先の死亡事故で平良市漁協、伊良部漁協がサメ駆除に着手。伊志嶺市長は「市町村会にはかり、県とも相談してサメ駆除を実施したい」としている。
  しかし琉球新報社の取材に県農水部の漁政課は「有害動物除去事業は漁業保護が目的。人的被害を防ぐための事業導入は難しい」としている。「額が多額で補助が必要であれば、制度とは別の県単の補助になるのでは」と話した。
  また漁政課はワシントン条約(絶滅の恐れのある野生動植物の国際取り引きに関する条約)との関連も指摘。
  クジラやイルカに近いサメも「捕獲を規制しようという動きがある」、「生物の人的被害の対策も、駆除ではなくフェンスを設けるなどの対応に傾いている」としている。