琉大教授が放射能汚染の可能性指摘 劣化ウラン弾事件

  米軍による鳥島での劣化ウラン弾事件で、琉球大学の矢ヶ崎克馬・理学部教授は、「鳥島周辺への放射能汚染はない」などとする報告書をまとめた米国・アームストロング研究所の調査結果について、「結論されていることは信頼できない」として環境や人体への放射能汚染を強く懸念している。矢ヶ崎教授は、発射訓練が行われた1995年12月、96年1月の鳥島周辺の風向きなどを考慮した上で、「エアゾール(微粉末)化した劣化ウランの放射能により、久米島をはじめ、慶良間諸島や沖縄本島も汚染している可能性が高く、長期的に見れば原爆に劣らない環境汚染となる」という。 劣化ウラン弾に含まれる金属ウラニウムはエアゾール化した状態が最も危険。室温でも容易に活性化し、酸素、水、窒素と結び付く。呼吸などで体内に取り込んだ場合、増血細胞を破壊しガンを誘発するなど「被爆効果のある」放射能物質だ。 現在、矢ヶ崎教授が最も懸念するのは、エアゾール化し、陸に降ったウラン。呼吸や飲水により体内に取り込まれる確率が非常に高い。一方、水に極めて溶けやすい性質であることから、「海に落ちたウランは海流に乗りすでに流されており、海水や生物に被害を及ぼすことはないものと考えてよい」という。 米国ブルックス空軍基地のアームストロング研究所が96年3月および4月にまとめた調査報告書は、安全性を印象付ける一方で、エアゾール化したウランの危険性についてはまったく触れていない。 また、矢ヶ崎教授は「徹甲焼夷弾の爆破威力は通常兵器と見間違える程度のものではないのではない」として、3回にわたり劣化ウラン弾が撃ち込まれたことを疑問視している。