劣化ウラン弾撤去の反響 久米島

  「県内からの撤去は結構だが、住民の健康問題にかかわる鳥島に打ち込まれた劣化ウラン弾の回収を実施してほしい」-。劣化ウラン弾が沖縄の米軍基地から韓国へ撤去されたことを米国防総省報道官が明らかにしたことに、鳥島射爆撃場に実射された地元久米島は、県内からの移送を歓迎する一方、誤射されたウラン弾の早急な回収をあらためて要望する。平和団体は「移送したという米国側の情報だけでは信用できない。基地内で県民に確認させるべきだ」と疑いの姿勢を崩さない。
  鳥島爆射撃場に劣化ウラン弾を実射され健康への不安を訴える久米島の具志川、仲里両村は6月に那覇防衛施設局などに住民全員の健康診断を申し入れているが、めどがたっていない。
  具志川村の内間清六村長は「本当に撤去されたかどうかは疑問が残る。住民の健康のためにも鳥島の残存分の早急な撤去をお願いしたい」と話した。仲里村の平良曽清村長は「沖縄からの撤去は結構なことだが、鳥島に残されている不発弾の撤去を早期に実施してほしい。住民にとって不安は残っており、住民検診の実施を実現してもらいたい」と語気を強めた。
  沖縄平和運動センターの新垣善春議長は「撤去したということは、これまで沖縄の米軍基地内に核関連兵器があったことをあらためて裏付けたもので、核と県民が同居していたことに背筋が寒くなる思いだ。撤去されたことが本当なら、この目で確認をさせてほしい」と米側の撤去発言にさらに疑いの目を向ける。
  放射線問題に詳しい琉球大の矢ヶ崎克馬教授(物理学)は「沖縄から出て行ったからいいというものではない。劣化ウラン弾は廃棄すべきだ。鳥島での実射について影響がないというのは極めて恣(し)意的な見方だ」と話した。
  一方、嘉手納弾薬庫を抱える沖縄市の新川秀清市長は「劣化ウラン弾は持ち込みから撤去に至るまで、地元には一切知らされていない。貯蔵中に環境面への影響がなかったのか、国の責任で確認すべきだ。立ち入り調査も必要ではないか」と語った。
  宮城篤実嘉手納町長は「危険が回避されたことは町や住民にとって喜ばしい」と劣化ウラン弾の嘉手納弾薬庫からの撤去に歓迎の意向を示す一方で「弾薬庫には何が貯蔵されているか検証できず、われわれは常に危険と隣り合わせの生活を余儀なくされている」と怒りの声を上げた。
(写真説明)回収された劣化ウラン弾=3月7日、鳥島射爆撃場