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県防災訓練に米軍初参加、嘉手納ラプコン使い連携 2002年8月24日 
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  県は29日に石川市を主会場に実施する県総合防災訓練で、初めて在沖米軍と連携する。23日に稲嶺恵一知事が定例記者懇談会で「米軍の管制空域内で航空機を活用した訓練を行うのが今回の特徴だ」と同訓練への米軍の初参加を発表した。県消防防災課によると、米兵が直接災害対策の訓練に当たったり、車両や航空機を出動することはないが、嘉手納基地内の航空機進入管制システム「嘉手納ラプコン」を使い、自衛隊や海上保安本部、県警本部の航空機と連携する。このため、米軍は県から訓練開始や災害対策本部設置、災害状況の報告の通知を受ける。県の総合防災訓練に米軍が参加することに県内平和団体からは「災害対策に名を借りた有事法制整備への地ならしだ」などの批判の声が上がっている。
  県消防防災課は、米軍の訓練参加について、今年1月18日に策定した「災害時における沖縄県と在沖米軍との相互連携マニュアル」に基づいて実施すると説明している。
  訓練で米軍は、電話やファクスで県からの訓練開始や、訓練終了の連絡、災害状況などの報告を受け、主に通報体制の確認に訓練の重点が置かれる。
  同課は「(米軍参加は)初めてであり、通報訓練で互いの窓口のやりとりを確認する。それが確認できれば次の段階に進むことになるのではないか」と述べ、将来的には相互連携マニュアルに基づき、米軍側が直接消火活動や人命救助、緊急輸送の訓練に参加する可能性を示した。
  嘉手納ラプコンを使うことについては「石川市が嘉手納基地の離着陸コースにあり、安全面から管制を受けることになった」(県消防防災課)と説明する。
  相互連携マニュアルは、大規模な災害が発生した場合に、県と在沖米軍の双方が人道的立場から災害発生の通報、人命救助などの応援要請を行う手順を定めるもの。災害時のため可能な範囲で無償で協力するため、諸費用は応援を行う側が負担する。
  災害が発生した場合、県は基地対策室、米軍は在沖米海兵隊作戦訓練部が窓口となる。
  県総合防災訓練は、情報収集や伝達訓練など約50種の訓練を行う。訓練参加は70団体・機関で約2000人。航空機1機、船舶6隻、車両70台を投入する。
  石川市を中心に具志川、勝連、嘉手納、北谷の五会場で11市町村関係者が参加する大規模な訓練となる。
 
  【嘉手納ラプコン】嘉手納基地を中心に半径80キロの円内、高度6000メートル以下、および久米島飛行場を中心とする半径48キロの円内で、高度1500メートル以下の空域を米軍がレーダーを用いて管制業務を行う機関。軍民問わず、空域を通過するすべての航空機が、ラプコンの管制対象となっている。ラプコンとは「Radar Approach Control」の略で、進入管制のこと。
 警戒強める県内平和団体
  県の総合防災訓練に米軍が初参加することについて23日、県内の平和団体からは「国防体制に住民を巻き込む」「容認できない」と反発する声が上がっている。自衛隊に続いて米軍も参加することになった行政による総合防災訓練の在り方に「有事法制整備への地ならし的な動き」と警戒感も出た。
  沖縄平和運動センターの岸本喬事務局次長は「災害対策に名を借りた周辺事態への対処や有事法制へと向かっていく危険な動きだ。国防体制に住民を巻き込む危ぐを感じる。軍隊の本質は防災とはまったく別にあり、県はどんな形であれ、自衛隊と米軍を参加させるべきではない」と厳しく批判し、有事法制との関連を懸念する。
  沖縄戦記録フィルム1フィート運動の会の中村文子事務局長は「日米両軍が加わるという訓練は、戦争を体験した1人として怖いものを感じる。これでいいのか。県は住民主体で訓練を実施すべきだ」と警戒感を示した。
  統一連代表の山川恵吉代表幹事は「有事法制が議論されている時期だけに、県民の感情を逆なでするようなものだ。有事に備えての訓練になるとすれば大変な問題。有事法制を先取りし、既成事実づくりの一環ともいえるもので、容認できない」と話した。
 


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