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夫が教科書になって帰ってきた/別れた日から60年 2002年8月15日 
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  「教科書になって夫が帰ってきた。こんなにボロボロになって」。米国ワシントン在住の県出身牧師・上原隆さんが琉球新報社に郵送してきた青年学校の教練科教科書(本紙12日付朝刊)は、勝連町の津堅島に住む目取真ツネさん(83)の夫・真志さんの所有物だったことが分かった。
  真志さんは1943年11月、マーシャル群島で戦死していた。裏表紙の署名が手がかりとなり、遺族が本紙に連絡してきた。14日、夫の遺品を受け取ったツネさんは「あすは旧暦七夕で祖先からの贈り物のようだ。読みながら夫を思い出したい」と語り、教科書を両手で握りしめた。
  真志さんは1919年、津堅島の生まれで、18歳の時、同級生のツネさんと結婚。42年、海軍に入隊し、そのまま帰らぬ人となった。
  沖縄戦が始まると、島に残るツネさんは真志さんの遺品を詰めた柳行李(やなぎごうり)を抱え娘とともに逃げ惑った末、具志川市塩屋の収容所に送られた。その最中に教科書を落としたようだ。
  ツネさんは「夫は優しい人だった。『農業で苦労をさせた。帰ってきたら楽にしてあげる』と言い残して兵隊に行った。夫の戦死は本当にショックだった。生きて帰ると言っていたのに」と真志さんとの別れを振り返り、「戦後は苦労ばかりだった。寂しい時はいつも夫のことを思い出していた」と裏表紙の署名を見つめ、涙をぬぐった。
 


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