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[連載]カリフォルニア海兵隊基地報告<下>/特殊作戦訓練施設 2002年8月21日 
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  サンディエゴから車を1時間ほど北に走らせると米海兵隊のキャンプ・ペンドルトンがある。総面積約505平方キロメートル。沖縄本島の4割を超える広大な基地で、家族を含め約5万人が駐留する。
  ここで、対テロ、都市型戦闘など特殊作戦の実弾射撃演習を見た。海岸線に沿って続く主要道から山中へと続く砂利道を約5キロ進むと、レンジ131がある。特殊作戦用演習場の一部だ。射撃の腕が上級の海兵隊員だけが集められ、五週間の特別プログラムを受講する。
  20人の海兵隊員が横一列に並び、前進しながら人形をした標的の頭と胸を、M4ライフル銃で撃ち抜く演習を見た。隊員たちはさらに、ガスマスクを装着しながらとか、利き腕が負傷した場合に備え片手で、などあらゆる場面を想定した実弾射撃演習に臨むという。
  レンジの隣には、立てこもったテロリスト殺害や人質救出を想定した訓練施設があった。ドアの種類によって爆薬の量を替え、ドアを吹き飛ばす訓練にも立ち会った。本番さながらである。
  近くにはMOUT(マウト、都市型戦訓練施設)と呼ばれる建物群がある。さまざまな種類の建物がそろい、突入訓練や市街戦の演習を行うものだ。
  沖縄では昨年末、キャンプ・ハンセン内に「対テロ戦訓練施設」の建設が報道された。MOUTを含む特殊作戦訓練施設のことである。陸軍特殊部隊グリーンベレーと海兵遠征部隊(MEU)が共同で使用するとみられる。海兵隊によると、今年末には着工に移すという。
  在沖米軍はこれまで、「特殊作戦訓練施設は、老朽化した既存のものを建て替えるものだ」と説明、沖縄の基地機能強化でないと強調している。ただ、海兵隊が対テロ、都市型戦闘で果たす役割は近年、格段に増大している。沖縄のMEUも同様で、このため施設が、新たに建て替えられると見るのが妥当だ。
  キャンプ・ペンドルトンを含む米西海岸の基地では今月上旬、四軍合同でミレニアム・チャレンジ2002と呼ばれる合同演習があった。この中では、カリフォルニア州の別の基地で、生物化学兵器工場を想定した建物に、海兵隊員が突入する訓練もあった。また、砂漠地帯での行軍も目撃されている。
  ロサンゼルス・タイムズ紙など一部メディアは、合同演習は、対イラク攻撃の準備ではないかと報じた。
  ある海兵隊員が言う。「イラク攻撃はかなり難しいし、時間もかかる。空軍力だけでは勝てないし、陸軍のような重部隊では死傷者が増える。私たちは海兵隊の出番だと思っており、だからこそ、ここペンドルトンでも沖縄でも特殊作戦訓練を積んでいるのです」。胸を張って話したのが印象的だった。
  (本紙ワシントン駐在・森暢平)
 


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