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オリオン、缶ビールを全国販売/アサヒとの提携を正式発表 2002年8月22日 
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  オリオンビール(浦添市、金城名輝社長)と業界最大手のアサヒビール(東京都、池田弘一社長)は21日、那覇市内のホテルで記者会見し、新商品の共同開発や販売協力などに関する業務提携の合意内容を明らかにし、アサヒがオリオンビールの株式7万2000株(発行済み株式の10%、21億円相当)を取得し、オリオンの筆頭株主になることを正式に発表した。10月までに正式契約する。
  両社は今年4月、包括的業務提携の覚書を調印し、具体的な内容や出資に関して協議していた。合意内容は2004年3月までの2年期限で、解除の申し出がなければ2年単位で更新される。
  アサヒは11月中旬にもオリオンの主力商品「オリオンドラフト」の缶製品を沖縄を除く全国で販売開始。オリオンは本土での販売量の五倍増を目指す。アサヒは発泡酒「本生」のオリオン名護工場での委託製造を来年中にも始める。
  提携内容はそのほか(1)来年春をめどに両社共同で発泡酒の新商品を開発(2)アサヒはオリオンの品質、生産性の向上を支援し、製造技術協力を行う(3)オリオンは県内でのアサヒ製品の販売拡大を図るため営業、マーケティングに積極的に支援、協力する-など。
  会見にはオリオンの当銘吉雄代表取締役副社長(社長代行)とアサヒの築山知明専務執行役員が出席した。
  当銘副社長は、酒税軽減の復帰特別措置が07年5月に終了することに触れ、「地場産業としてさらに発展するため、提携を要請した」と説明した。
  築山専務は「オリオンの合併や当面の役員派遣、増資は考えていない」と強調。現在約1割の沖縄での販売シェアの二倍増を目指す意向を示した。
 本土市場開拓がカギ
 【解説】オリオンビールがアサヒビールと包括的な業務提携で合意したことを21日、正式に発表した。オリオンは1957年の設立以来、一県内一工場という特異な環境の下、県内を代表する製造業として重要な位置を占めてきた。今後、アサヒとの提携関係を強めつつ、厳しい市場競争に立ち向かうことになる。
  本土復帰に伴う特別措置で、沖縄は復帰時に酒税が本則40%に軽減された。その後段階的に改定され、現在は80%。5年後の2007年5月にはその期限が切れる。
  オリオンによると、2001年度の酒税軽減額は約20億円。これは同年度(2002年3月期決算)の経常利益25億3000万円に迫り、当期利益12億3000万円を上回る。一方で売上高は204億2000万円で、ピーク時の97年度に比べ55億円も落ち込んでいる。酒税軽減が適用されない発泡酒が勢いを増し、大手商品と激しい競争を強いられていることなどが背景にある。
  こうした中で期限切れもにらみながら、いかに収益を上げ、経営基盤を強化するかの戦略がオリオンに迫られていた。同社はその岐路で「地場産業として生き残るための総合的な経営判断」(当銘吉雄副社長)とアサヒとの提携を選択した。
  オリオン側はアサヒの協力も得て、本土市場での売り上げを現在の五倍にしたい意向だが、その成否が業務提携の今後の展開を占いそうだ。県内でシェアを落とすオリオンにとって、思惑が外れれば提携理由の根幹が揺らぐ。
  筆頭株主となったアサヒが、どこまで発言力を強めていくかも焦点だ。
  20日の記者会見で、アサヒの築山知明専務執行役員は「沖縄の元気を全国に発信したい」と述べ、今後の可能性として県内での健康関連飲料などの製造にも意欲をのぞかせた。出資比率の増加や役員派遣などでも「現段階ではない」と将来に含みを残した。
  こうした提携強化を進めながら、オリオン経営陣はいかに「オリオンブランド」を守り、引き継ぐのか。そのための魅力ある商品とサービスを、県民、消費者に提供できるかが問われている。
 (政経部・上原康司)
 


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