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子は歓迎、親は懸念/学校5日制アンケート 2002年8月27日 
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  県教育委員会が学校5日制の完全実施後、初めて行った実態調査結果がこのほど発表された。子どもたちから自由に使える時間が増えたと歓迎される一方、親からは学力低下への懸念が指摘され、5日制に対する考えで親子の食い違いが見られた。自治会や子ども会への調査からは、実施前から課題とされた地域の受け皿不足が依然として続く状況も分かった。実態調査を基に「子ども」「親」「地域」の三つの視点で、学校5日制の在り方を考える。
  学校5日制に対する高校生の期待は「ゆとりができ、心身ともにのびのびした人間ができる」(40・5%)、「趣味や特技を伸ばし幅広い人間ができる」(25・8%)を合わせ、6割以上が肯定的だ。ところが同じ高校生が感じる5日制への不安は「時間を生かせず、無駄に過ごす」が21・7%でトップ。「生活が不規則になり、退学・非行が増える」の10・2%を合わせると、3割が「土曜日をどう過ごすか」で悩んでいる。
  しかしそうした悩みが行動に直結していない。高校生が以前に比べて増えたという時間は「のんびり過ごす」60・2%、「外で遊ぶ」43・9%が目立ち、実際には何となく過ごしている様子が浮かぶ。
  この回答から芳澤毅琉大教授(教育社会学)は「根はまじめで、建前は立派。しかし自らやりたいことが見つからず、行動を管理できない」という現代の若者気質を指摘する。
  似たような傾向は「5日制実施がうれしくない」と答えた児童・生徒の回答からもうかがえる。中学生の17・5%、小学生の13・2%は「やることがない」と、うれしくない理由を挙げている。また「ひまだから」という回答も中学生26・6%、小学生20・1%と多かった。学年が上がるにつれ、一人では何をしていいか分からない子どもが増えている。
  芳澤教授は「自分が何をしたいか分からない、アイデンティティーの揺らぎは現代の特徴。子どもたちに必要なのは、自己を確立するために自分を見つめる時間だ。また自分で計画を立て行動する自律性も要る」と5日制実施に伴う教育的な課題を挙げる。
 保護者、「良くない」が47%
  学校5日制アンケートで、子どもと保護者のズレが目立ったのは5日制実施に対する評価。中学生以下で子どもの8割が歓迎しているものの、その保護者は「良くない」が47%にも上り、「良い」の53%ときっ抗している。高校生の親も実施されて「良い」29・5%、「良くない」28・3%と同じ傾向を見せた。
  その背景は、小学生以下だと親の側に週休2日が実現せず、面倒を見切れないという問題がある。中学生、高校生になると、受験を控えた学力低下への懸念が大きい。
  中学生以下の保護者で、土曜日に両親とも家に不在と答えたのは32%だった。そのうち「祖父母等が世話」をするのは幼稚園48・6%、小学生が32・1%。「学童クラブ」が幼稚園21・6%、小学生3・8%だった。
  5日制実施が良くない理由でも、幼稚園児の保護者は「世話をする人がいない」が20・8%、「地域の施設が不足」が12%もいた。小学生の保護者もこの二つを合わせて26・4%と、子どもの預け場所に一苦労している様子がうかがえる。
  実際に学童クラブに小学2年生の男子を預ける母親(39)は「介護士をしているので土、日は関係ない。祖母が同居しているので、学童クラブが午前中で終わっても何とかなるけれど…」と苦しい事情を語る。また中学生、高校生の保護者になると、学力低下への懸念が増し、中学で41・1%、高校でも16・1%が不安を感じている。
 地域、半数が活動なし
  子どもたちの受け皿"として期待される地域の自治会や子ども会は、土曜日に特別な活動を実施していないケースが半数近くに上る。理由として「世話人不足」「保護者の参加者が少ない」を挙げるなど、大人側に子どもを受け入れる余裕がない現状がある。
  調査では、「土曜日に何らかの取り組みをしているか」に、自治会48・6%、子ども会47・6%と約半数が「していない」と答えた。理由として、「世話役が不在」(自治会22・9%、子ども会27・4%)「参加する大人が少ない」(自治会21・9%、子ども会30・1%)が高く、大人側の都合で受け皿が整わない現状が浮き彫りになった。
  また、自治会では「必要性がない」と答えるケースが12・5%も。課題は「親が忙しい、関心が低い」(自治会29・0%、子ども会15・9%)「指導者の不足」(自治会18・8%、子ども会22・0%)となった。
  「している」(自治会51・4%、子ども会52・4%)と答えたうち、取り組み内容はキャンプ、読書活動などの「子ども会活動」(自治会39・0%、子ども会37・3%)が最も高かった。
  5日制への意見で、自治会は「学校、家庭、地域の連携強化」(30・9%)が最も高く、親の協力を要しているのに対し、保護者を中心とする子ども会は「親は仕事で子どもの世話ができない」が21・6%を示すなど、双方の相違を印象付けた。
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