市民団体、一斉に反発
米ノースカロライナ州で11日夜(現地時間)、米軍垂直離着陸機MV22オスプレイが墜落したことを受け、実戦配備が予定されている普天間基地の宜野湾市や移設先の名護市では市民団体などから同機の配備に反対する声が上がり、専門家は配備後の事故発生の可能性も指摘している。同機の墜落事故は開発着手からこれで四度目。死者は23人に上っている。
配備計画の遅れ必至
普天間飛行場には2005年にオスプレイ配備が予定されている。市民団体「基地はいらない平和を求める宜野湾市民の会」の中村信嗣代表は「普天間飛行場はいまでも危険。いつ事故が起きてもおかしくない。オスプレイは機体を軽くするため構造上危険で騒音もすごいと聞いている。配備は危険だと沖縄から声を上げなければいけない。黙っていてはだめだ」と訴えた。
また「こんな欠陥機の配備のため、普天間飛行場を辺野古へ移設するのは大きな判断の誤りだ」と話すのは沖縄平和運動センターの仲宗根義一事務局長。普天間飛行場の移設問題をオスプレイ配備と絡んでいるとみている。
岸本建男名護市長は「市民を危険にさらすことはできない。危険なものは受け入れない」と話し、市民の安全を考慮していく方針を示した。
ヘリ基地反対協議会の仲村善幸事務局長は「度重なる事故は、オスプレイがいかに危険であるかを証明している。(建設予定の)普天間代替基地はオスプレイを配備する基地であることは明らかで、絶対に造らせてはいけない」と基地建設反対を強調した。
また、ジュゴン保護基金委員会の東恩納琢磨事務局長は「北部は県民の水がめ。化学兵器などを搭載するオスプレイが墜落したら、そこから全県に汚染が広がる」とオスプレイ配備を含め、基地建設に強く反対した。
辺野古活性化促進協議会の島袋勝雄会長は「オスプレイの問題は軍事的、政治的な問題であり、国や県など行政で善処すべき問題。ただ危険であると分かっている機種を配備することについては歓迎できない」とオスプレイ配備に危機感を示した。
オスプレイ運用の海兵隊を統括する米海軍は、試験配備しているオスプレイの本格的配備を来春にも始める方針を打ち出していた。しかし海軍は11月、年内の本格生産を延期し、本格配備に踏み切る正式決定も先送りにした。今年4月に19人が死亡するという三度目の墜落事故が起き、多発する異常運航や膨大な維持費が見込まれることから、国防総省内では本格配備を疑問視する報告書も出ている。その矢先に四度目の墜落死亡事故が起きたことで、専門家はさらに配備調達計画が遅れるとの見方を示す。
今回の事故を受け、ジェームズ・ジョーンズ海兵隊総司令官は、徹底的な原因究明を命じ、専門家グループによる導入プロセスの再検討を命じた。
航空評論家の青木謙知氏は「今回の事故が根本的な欠陥によるものか、操作ミスなのかは分からないが、いずれにしても4年後の配備調達計画に遅れが出るのは間違いない」と話す。その上で「オスプレイは新しい型の飛行機なので新たな操作を必要とされる。垂直離着陸が可能な攻撃機のハリアーが配備された1970年代も不慣れな操縦と訓練不足で事故が多発した。オスプレイでも配備後にこうした事故が起きる不安は残る。しかし機種更新せずに旧式のCH46型ヘリを継続して使用することも危険で、二重、三重の安全策を求める必要があるだろう」と指摘している。
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