海上保安庁と海上自衛隊が1999年に沖縄近海の排他的経済水域などで確認した中国の軍艦と海洋調査船は45隻と過去最高を記録し、中国艦船が沖縄周辺海域で活発な活動を展開していることが浮き彫りになった。このほかロシアの情報収集艦と台湾の海洋調査船もそれぞれ一隻ずつ確認されている。
中国の軍艦の中には最新型の水上戦闘艦も含まれており、軍事評論家の江畑謙介氏は「エネルギー事情がひっ迫している中国が海洋資源開発に本格的に乗り出し、中国海軍が外洋展開を始めた新時代の到来を意味する」と分析し、ロシア艦については冷戦崩壊で途絶えていたロシア軍による情報収集活動の再開を指摘した。
沖縄近海で艦船を確認したのは第11管区海上保安本部(那覇)の巡視船や航空機、海上自衛隊第五航空群(那覇)のP3C対潜哨戒機など。中国海軍の軍艦は5月14日に12隻、7月15日に十隻が尖閣諸島魚釣島沖を航行しているのが確認され、砕氷艦兼情報収集艦ヤンビン723が5月と11月に三度確認されている。
5月の艦艇は排水量が1、702トン以下と小型級だったが、7月は1、702トンから21、750トンまでの大型艦で編成され、このうち4、200トンのルフ級ミサイル駆逐艦は中国海軍の最新型駆逐艦という。
江畑氏は「中国海軍がこれだけの数で東シナ海まで出てくることは従来なかった。沿岸にへばりついていた中国海軍が外洋展開を始めた。台湾、日本、韓国、アメリカに対し、この海域までいつでも展開できることを見せつける目的だろう」と分析する。
中国の海洋調査船は4月から11月までに20隻が確認された。11管区の巡視船は調査船が海域で一定の距離を反復航行し、船尾から出したケーブルをえい航したり、海底の泥や海水を採取する作業を確認している。巡視船が国際電波で交信した際、調査船は「中国政府の指示により調査活動をしている。邪魔しないでくれ」「わが国は日本の排他的経済水域に同意していない。日本の領海は12カイリであり、ここは公海上であるから調査を続行する」などと返答している。
江畑氏は「中国は1993年から石油輸入国になっている。本来は自給したい。そのためには海底資源の石油掘削を急ぐ必要がある。これだけ大規模で調査をするのはひっぱくしたエネルギー事情の中で海洋資源確保に本格的に乗り出したからだ」と指摘する。
ロシア情報収集艦については「この船は電子情報の収集が目的だ。ロシアはこの3年で情報収集活動を再開している。近くでないと収集できないレーダーの電波や航空機と地上の交信をモニター(監視)している。米軍の監視かもしれないが、中国の監視もあるだろう」と説明している
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排他的経済水域
国連海洋法条約で定めた沿岸国が天然資源の探査や開発の主権的な権利を行使できる領土から200カイリ(約370キロ)の水域。日本は1996年に同条約に批准している。日本は中国と排他的経済水域が重なる水域について、たがいの領土から等距離の中間線を主張しているが、中国側は中間線より日本側に食い込む大陸棚を根拠にした線引きを主張している。
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