1995年の県民大会から、沖縄における米兵による事件・事故は減ったのだろうか。何も変わらない、というのが現状ではないだろうか。今回の女子中学生に対する暴行事件を見ても、過去の教訓が生かされているとは到底、言い難い。
日米両政府、米軍とも、やることなすこと、同じことの繰り返しだ。事件が起きるたびに「綱紀粛正」「兵士教育の徹底」など再発防止策を掲げるが、どれだけの効果があったのだろう。「その場しのぎ」「ほとぼりが冷めるのを待つ」。多くの県民が両政府の態度をこう見ているとしても仕方がないのではないか。
もちろん、今回も軍属を含む外出禁止措置など、いくつかの再発防止策が取られた。ただ、その後も次から次へと米兵絡みの事件が発生したのも事実だ。小手先の対処策では、もはやどうにもならないことは、過去の事例を見ても明らかだろう。両政府は基本的なところで現実から目をそらしているとしか思えない。
当局がそうであれば、われわれにできることは、抗議の声を上げ続けていくことだ。そうすることで、このような社会を変えていくしかない。何もしないのは現状を容認することにしかならない。
きょう開かれる「米兵によるあらゆる事件・事故に抗議する県民大会」(同実行委主催)に、仲井真弘多知事が不参加を決めた。被害者への配慮、を理由の一つに挙げている。為政者として、当然の気配りだろう。意思を固めるまで散々悩んだことと思う。
しかし、その判断はやはり、残念としか言いようがない。米兵によるこの種の犯罪で、表面化するのは氷山の一角だという指摘もある。声も上げられない被害者。そんな被害者のためにも、むしろ知事が先頭に立ち、代わって抗議の声を上げるべきではないのか。知事が大会に参加することで、被害者が傷つくとは思えない。
大会のスローガンは再発防止策の徹底はもちろん、日米地位協定の改定、基地の整理縮小などであり、「私が言っているのとほとんど同じ」(仲井真知事)。そうであるなら、なおさら知事は参加の道を選ぶべきだった。知事は夏にも訪米し、協定改定など直接米国政府に訴えるという。大会不参加は、その決意のトーンダウンを印象付けることにならないか。
玉寄哲永実行委員長は「知事の参加の有無で、大会の意義は変わらない。今回は県民の人権を取り戻す闘い」と語る。その通りだろう。参加団体の数の多寡、超党派かどうか。これらで、大会の性格が左右されるはずもない。協定改定から基地の整理縮小、さらには基地の撤去まで。一人一人が愚直に声を上げ続けていくしかない。
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